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内容説明
なんで、いのり姉ちゃんがここにいるの?殺されたはずなのに―生方理人のもとへ現れたのは、連続殺人の犠牲になった6歳年上の幼なじみ。犯人の顔を目撃していた幽霊―四条いのりは、連続殺人犯の逮捕への協力をただひとり彼女が視える理人に求めた。事件の酷薄な真相がすべて明らかになる時、理人の初恋に終止符を打つ、哀切なもうひとつの真実とは。
著者等紹介
天祢涼[アマネリョウ]
1978年生まれ。メフィスト賞を受賞し、2010年『キョウカンカク』で講談社ノベルスからデビュー。近年は本格ミステリ的なトリックを駆使し社会的なテーマに取り組む作品を繰り出し、活躍の幅を広げている(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
さっこ
69
10歳の理人は幼馴染で6歳上の「いのり姉ちゃん」に恋していた。突然通り魔に殺されしまったいのり。幽霊になったいのりが見えるのは10歳の理人だけ。理人が20歳になるまでを描いた作品。時が静止した16歳のいのりの傍で理人だけが大人の階段を昇っていく。残酷な真相と、切ない思い。普通の初恋のようにただの思い出にするには切なすぎるなあ。2021/06/16
オーウェン
57
殺された幽霊が現れて、それは10歳の理人にしか見えない。 その殺されたいおりは理人の初恋の相手であり、自分を殺した殺人犯を覚えていた。映画の「ゴースト」のような設定をそのまま持ってきているが、それだけに終わらせない作り。1章で完結しているように見えたが、理人の成長に伴いいおりは変化しない。 段々と理人はいおりの身長を越していくが、各成長時期に従い周囲の問題を解決していく。 2章のいじめられていた少年が立てた殺害計画。 その意外な標的には驚く。 ラストは青春模様満載の締めであり、一歩前に進む理人が眩しい。2021/04/22
koma-inu
44
通り魔に殺された幼なじみのいのりが、幽霊となって理人の前に現れた。2人は通り魔探しを始めますが、序盤で解決。以降は幾つかの事件を解いていきますが、いのりは周りの人から見えないため、自由にこっそり情報を得れる捜査が斬新です。最終章で明らかになる、通り魔事件の真の全貌は、悲しい・・。エピローグの2人の決着は、ある程度予想はついたものの、涙ものでした。2022/10/09
ジンベエ親分
40
ラノベのコーナーに並べられていたので書店で探すのに手間取った(^-^*) 16歳で通り魔に刺されて死んだ女子高生と、彼女を想い幽霊となった彼女が見える"ぼく"の10年間の連作ミステリー。章タイトルが「16歳と10歳」から始まり最終章が「16歳と19歳」なのだが、ここで終わっていれば良い話、で済んでいた。エピローグの「20歳」が凄い。彼女の極端な人の好さや"ぼく"との何となく違和感があった関係性がすべてハマる。いやいやこれ切ないにも程があるでしょ。素敵な話だけど切なすぎる…でもやっぱり素敵な話。良作。2021/02/19
綾@新潮部
39
ぼく・理人の前に現れたのは、殺されてしまった幼なじみのお姉ちゃん・いのり。各章のタイトルで内容がなんとなくわかるかなぁと思っていたけど、最終章でたまらない気持ちになってしまった。とてつもなく切ない~。理人が10歳から20歳まで成長していく様子も良かったし、表紙もだけど扉絵にドキドキした。自分的には3章の終わりの、理人がいのりの年齢より年上になってしまうという文章が痛かった。そうだ、自分も12月には夫の年齢より年上になってしまう。うがー!いやだ!(笑)←いや、笑うな2021/02/21