出版社内容情報
池内 了[イケウチ サトル]
著・文・その他
内容説明
中学校理科から量子力学まで物理学全体を見渡し、歴史のエピソードや文学作品を引きながら「基本の基本」をわかりやすく伝授。さらに、人間の思考は自然の論理をどこまで捉えられるのか、という根源的問いにまで誘う。宇宙物理学の先端で研究に取り組み、科学とは何かを深く問い続けてきた名手が放つ、画期的入門テキストにして深遠なメッセージ。
目次
第1章 原理、法則、定理とは何か(物理学の大前提;物理学の要件 ほか)
第2章 物理学の原理(アルキメデスの原理―「エウレーカ」の叫びが響く;浮力の原理―船はなぜ浮くのか ほか)
第3章 物理学の法則(平行四辺形の法則―力学の、基礎の基礎;自由落下の法則―中也さんはわかっていなかった ほか)
第4章 物理学の原則(対称性―時間・空間の変換と物理法則;不変性・共変性―これを満たしてこそ真の理論 ほか)
第5章 自然の論理と人間の思考(自然の論理―多様な可能性からの自然の選択;基本物質・力・構造・反応性 ほか)
著者等紹介
池内了[イケウチサトル]
1944年兵庫県生まれ。京都大学大学院理学研究科物理学専攻博士課程修了。名古屋大学名誉教授、総合研究大学院大学名誉教授。理学博士。専門は宇宙論、科学技術社会論。著書多数。講談社科学出版賞、産経児童出版文化賞、毎日出版文化賞特別賞など受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
KAZOO
88
この本は以前に新書で読んだことがあったのですが文庫になっていたのですね。ある程度物理学の基礎知識がないとかなり難しく感じると思います。その反面例などが多く書かれていてある程度の基礎知識を持っている人が読むとわかりやすい気がします。もう少し数式や図があった方がいいのかなと感じました。2021/09/15
まーくん
84
高校物理は古典力学、つまりニュートンの運動方程式から教えられたと記憶している。微分積分を使わず。しかし、その基本的原理にはどこまで理解が及んでいたか自信がない。絶対時間、ガリレオの相対性原理、慣性質量と重力質量。人間はいかに目の前で理解できる常識に捉われているか、極小の世界や宇宙サイズでは、その常識は通用しないことを教わったかな?後年、受験や仕事とは関係なく、ただただ興味から、万有引力の法則をケプラーの法則から辿ったり、相対論や量子力学をかじったことは結構楽しかった。どれだけ理解できたかは別として。2021/05/01
Go Extreme
4
原理、法則、定理とは何か:物理学の大前提 物理学の要件 物理学の言葉 原理主義者 因果律 物理学の原理:アルキメデス 浮力 テコ パスカル フェルマー 相対性理論 高速不変 パウリ 不確定性 宇宙 物理学の法則:平行四辺形 自由落下 慣性 運動量保存 角運動量保存 軽ぷらー エネルギー保存 フック ベルヌーイ 物理学の原則」対称性 不変性・共変性 相似性 安定性 相反性 相補性 統計性 自然の論理と人間の思考:自然の論理 基本物質・力・構造・反応性 統一から分岐 人間の思考ー多様な可能性からの人間の選択2021/04/14
かっさん
3
物理学の原理と法則、読み終わりー コンパクトに基本的な物理学の原理と法則が網羅されてて、世界の仕組みの復習によい。物理に馴染みがないと難しいかも。最後のほうのエネルギー状態によってはすべての法則の垣根がなくなる、ってのは新鮮だった。普遍と特殊の切り替えがこないだから多いな #読書 https://t.co/FjLZIrwxj72021/05/14
Visor
1
(俺にとっては)難解だが、おもしろかった。原理、法則、定理、関係式などが物理学の体系を規定しており、原理から定理が導き出されたり、原理が後に定理として証明されたりするという導入から、時代をおってアルキメデスの原理から量子力学まで簡潔に説明されていく。天才の発見も人類の共有財産としての原理、法則、定理らの産物という実感が得られた。しかし、一番印象に残っているのが中原中也がダダイズムの詩で間違って相対論を用いているというくだりで、俺はつくづく文系人間なんだなと思う。科学系・物理系のニュースももっと理解してい2023/09/27