出版社内容情報
池井戸 潤[イケイド ジュン]
著・文・その他
内容説明
東京第一銀行の花咲舞は、今日も不正を許さない。別府支店が見送りの判断を下した、老舗温泉旅館への巨額融資。返済の見込みは立たないはずだが、直後ライバル行が融資を決定した。無謀な融資の裏に隠された、二行の上層部が交わした約束とは(「湯けむりの攻防」)。正義の“狂咲”が組織の闇に挑む痛快短編集。特別収録短編「犬にきいてみろ」。
著者等紹介
池井戸潤[イケイドジュン]
1963年岐阜県生まれ。慶應義塾大学卒。’98年『果つる底なき』で江戸川乱歩賞を受賞しデビュー。2010年『鉄の骨』で吉川英治文学新人賞、’11年『下町ロケット』で直木賞を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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タイ子
90
新装増補版が出たというので久しぶりに花咲舞を読んでみた。以前、ドラマも見ていたし文庫本も読んでいたのだが、今回一遍だけ特別収録があってそれもなかなかの面白さ。融資問題とかの不正は臨店の仕事で何とかなるが、組織の闇があったり政治が絡んでくるとさすがの舞もどうしようもなくただ歯噛みしながら成り行きを待つしかない。でも、正義は勝つ!半沢直樹もチラリと出てきたりしてお楽しみは用意されている。花咲ならぬ狂咲をあまり怒らせないように・・・。シリーズの新作期待してます、池井戸さん。2021/01/22
Kazitu
46
東京第一銀行の花咲舞は、今日も不正を許さない。 もぉ、ステキ。正義は、勝つ。😊 組織は、本当に嫌。上下関係、腹の探りあい。でも、金の為だからしょうがないんだろうな。💧 半沢直樹が登場したのには、驚いた。また、半沢読もうかな。2022/02/17
みぃ
30
花咲舞が奮闘する銀行バンクの話。 池井戸さんの作品はこんなにも面白い。 実写ドラマも面白いようなので見てみようと思います。2024/06/06
ピース
30
花咲舞はこれまで本店や支店にある不正を正してきた。しかし今度は銀行の根幹を揺るがせかねない闇に挑む。さすがに舞一人では無理だったが不正は正した。こんな人材がいれば頼もしいけど一緒に働く人はちょっとたまらないだろう。それに上からは煙たがられるかもしれない。もっと悪いヤツからは「一度痛い目に合わせてやれ」とばかりにハメられるかも?そうはならないように相馬には頑張ってもらいたいが戻ってくるんだろうか。2022/04/10
SHIN
27
銀行内にも隠蔽や内部情報があるなか、東京第一銀行 花咲舞と企画部特命担当の昇仙峡玲子、そして産業中央銀行の半沢直樹の登場する。文中にでてきた〝秘密はいつか暴かれる〟は、現代社会の象徴的な言葉のように思える。こうしたきっかけは、恩を感じたりやちょっとした優しさから始まったのかも知れず、嘘は嘘と認識しないと足元をすくわれるかも知れない。2023/06/26