内容説明
葬儀に訪いし白装束の女は、にたりと笑って掻き消えたそうだ。春菜が勤めるアーキテクツに異変。連日見つかる絡まった黒髪や不気味な人影の怪は、連続不審死事件に発展する。色男だが高慢なエリート・手島を守るため、仙龍は奇怪な“匣”を用意する。一方、刻々と迫る仙龍の死を止めたい春菜は隠温羅流の深淵に迫る。手がかり潜む出雲で、異形の瘴気を背負った女と出会うが―。
著者等紹介
内藤了[ナイトウリョウ]
長野市出身。長野県立長野西高等学校卒。デザイン事務所経営。2014年に『ON』で日本ホラー小説大賞読者賞を受賞しデビュー(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
1 ~ 1件/全1件
- 評価
COSMOS本棚
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
mint☆
156
よろず建物因縁帳シリーズ8作目。と言っても今回は建物の因縁ではなく人。春菜の宿敵パグ男さえ可愛く思えてしまうほどの鬼畜が登場。こんな男に関わってしまったらそりゃ地獄に引き摺り落としたくもなる。長い黒髪が喉に詰まってるって怖いのよ。そしてもうひとつ、隠温羅流のルーツを紐解くため出雲へ向かう春菜とコーイチ。結局まだ明らかにはならないからシリーズは続きそうで良かった。でも知りたい!今回仙龍の出番が少なかったけど春菜とのシーンにきゅんとした。次も楽しみ〜♪2021/02/27
ちょろこ
144
心臓バクバクの一冊。春菜の会社内で連日見つかる絡みついた黒髪。そして始まる連続不審死事件に背筋は凍りつく。とにかくこの怨霊、本気度が凄まじい。その凄まじい怨みを浄化させることができるのか…あんな奴でもという仙龍たちの団結した思いにうるっときた。匣、刻一刻と迫るあの日、ついに迎えた瞬間、最高に心臓はバクバク。和尚の力量にもすがる思いでいっぱい。良くも悪くも人の思いのチカラなるものを感じた。仙龍と春菜にも心臓はバクバク。わけもなくこちらまで涙が…。因縁を断ち切る春菜の本気度からもますます目が離せない。2020/12/22
はにこ
99
仙龍の呪いをとくルーツを探しに出雲へ行った春菜だったが、パグ男が可愛く思えるくらい腹立たしい新上司、手島を救う為に長野へ戻る。手島にかかった呪いは恐ろしかった。確実にホラーなんだけど、本当にありそうな恨みなのがゾワゾワした。手島みたいな男は救う価値無いって思ったけど、伽耶の為には良かった。鬼は元から鬼ではない。成る程!2021/01/14
Kazuko Ohta
88
パグ男より酷い奴、参上。生臭坊主が奴を指して「遊び人の風上にも置けぬド素人」と評するのに笑った。なにしろパグ男が一瞬恋しくなるぐらいの酷さだから、こんな奴、せいぜい祟られたらええやんと思うのですけれど、見殺しにはしない春菜ちゃん偉い。序盤の仙龍と春菜のやりとりにはこっちが照れる。何その高校生みたいなやりとりは。これ読んでニヤけてる自分にまた照れる。昔の因縁ではなく、今まさに生じた因縁である点が本シリーズとしては新鮮。面白半分で近寄っては駄目な場所がどこにでもあるということを肝に銘じます。浄化は近いのかな。2020/12/06
あっちゃん
86
仙龍と両思いになったというけど、大人な展開にはならず(笑)これくらいの甘さが私的には丁度良いけどね!そして、因縁を調べに遠出をするも、自社の傲慢エリートの怪異の為に速攻で戻る羽目に!なかなか嫌な奴キャラのレベルが高い( ̄▽ ̄)2021/06/29