出版社内容情報
自分以外、全員敵。
掟破りの裁判が始まる。
杉浦小麦、25歳。新人女性弁護士。
彼女にとっての初めての刑事裁判は、1日で公判が終わるような仲間内で起きた傷害事件。
被疑者との面会を終えて拘置所を出た小麦は、大勢のマスコミに囲まれてしまう。
「あなたは殺人犯のアリバイ作りに協力しているんですか!?」
--えっ! なに? どういうこと!?
彼女が引き受けた取るに足らない国選弁護の仕事は、やがて世間を震撼させる大事件へと変貌する。
敵は法律を知り尽くした悪党と、司法の穴。
それでも、私は、私の正義のために闘う。
捜査機関にはできなくて、弁護人にはできることは。
内容説明
司法修習を終えたばかりの新米弁護士、杉浦小麦。彼女にとっての初めての刑事裁判は、1日で公判が終わるような仲間内で起きた傷害事件。被告人との接見を終えて拘置所を出た小麦は、大勢のマスコミに囲まれてしまう。「あなたは殺人犯のアリバイ作りに協力しているんですか!?」えっ!なに?どういうこと!?敵は、法律を知り尽くした悪党と司法の穴。それでも私は、私の正義のために闘う。
著者等紹介
木内一裕[キウチカズヒロ]
1960年、福岡生まれ。2004年、『藁の楯』(2013年映画化)で小説家デビュー(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
しんたろー
280
木内さんの新作は、フリー新米弁護士・小麦が臨む初裁判と遺産絡みの人探しが段々と絡んできて「どうなる?」という興味とキャラが立った登場人物たちでグイグイ引っ張る。法の抜け道を利用する被告人一派と本来なら弁護すべき小麦が、正義の為に意地と知恵で立ち向かう姿が良いし、彼女の「心の声」が抜群に面白い。終盤の法廷劇も笑える痛快さで好き。小麦の父で服役中の元弁護士・磯村、前科18犯のコソ泥・菅原、誠実な所轄署刑事・三村、裏社会の殺し屋である被告人一派たちで『矢能シリーズ』とは違った魅力のあるシリーズに育つ予感がする。2021/01/19
utinopoti27
248
駆け出し弁護士の杉浦小麦は、中々仕事にありつけず、糊口をしのごうと安易に引き受けた国選だったが、実はとんでもない事件と繋がっていた。加害者も、被害者も、目撃者も、検事も、周りはみんな敵だらけ。窮地に立たされた彼女がとった驚愕の法廷戦術とは・・。ともすれば重くなりがちなリーガルサスペンスも、木内流の味付けにかかれば、軽快なコメディタッチのエンタメ作品に仕上がってしまう。とはいえ、終盤の法廷シーンなどはしっかり作り込んであり、読後感は爽快だ。読み手を選ぶタイプの作家さんだけに、このノリはハマればクセになるかも2021/04/15
kou
246
話のテンポが良く、登場人物のキャラも濃く読むのが止められなかった。童顔の女の子が咥えタバコで高速道路を軽トラで走っている光景を想像して笑ってしまった。小麦は元レスリングのオリンピック候補って設定だから、何処かで暴漢とでも戦うのかと思ったけど・・・さすがに、そこまで破天荒では無かったか(笑)。続編が出たら、是非、読みたい。2021/01/17
fuku3
219
2020年11月10日読了。中尾雄大は東雲のヤクザ事務所で三人射殺した!逃走中にカップルに目撃され警視庁は目撃証言から中尾を追う! 杉浦小麦25歳新米弁護士の初の刑事裁判は東雲事件の同日同時刻の傷害事件!被告人も被害者も証人も全てが被告人の有罪を認めていた!横浜地検は公訴し裁判が始まろうとしていた!被告人は中尾雄大である!マスコミから責められ怒りに任せ被告人を無罪にすると啖呵を切った小麦…。今年一番の傑作!プロット、各キャラの個性が際立ちどれも全て素晴らしい!伏線の張り方回収の見事さ文句無し!2020/11/10
いつでも母さん
217
25歳新人女性弁護士・杉浦小麦の奮闘する物語。多分シリーズ化するでしょう。いや、して欲しい。服役中の父親との絡みがもっと増えて成長していく姿を追いかけたい。木内さんの軽快で楽しい結末が好きだ。2020/11/24