出版社内容情報
私たちは、家族になれるのだろうか。
故郷に帰った私を待っていたのは、母の駆け落ち相手の息子だった。
『後宮の烏』の著者が創る家族再生の献立(レシピ)。
母がわたしと家を捨て駆け落ちしたのは、小学校の卒業式の日だった。旧家の九重家で厳しい祖母に育てられたわたしは、大学入学を機に県外へ出た。とある事情で故郷に戻ると、家にはあの頃と変わらぬ頑迷な祖母と、突如居候として住み着いた母の駆け落ち相手の息子が。捨てられた三人の奇妙な家族生活が始まる。
伝統に基づく料理とともに紡がれる、優しくも切ない家族の物語。
内容説明
母がわたしと家を捨て駆け落ちしたのは、小学校の卒業式の日だった。旧家の九重家で厳しい祖母に育てられたわたしは、大学入学を機に県外へ出た。とある事情で故郷に戻ると、家にはあの頃と変わらぬ頑迷な祖母と、突如居候として住み着いた母の駆け落ち相手の息子が。捨てられた三人の奇妙な家族生活が始まる。伝統に基づく料理とともに紡がれる、優しくも切ない家族の物語。
著者等紹介
白川紺子[シラカワコウコ]
三重県出身。同志社大学文学部卒。雑誌「Cobalt」短編小説新人賞に入選の後、2012年度ロマン大賞受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
machi☺︎︎゛
155
小学校の卒業式の日に母親が同級生の父親と駆け落ちをしてからずっと嫌な思いや嫌な体験をしてきた茜。叔父に頼まれ一度は出た家にもう一度戻り、厳しかった祖母と謎の大学生との三人暮らしが始まった。が実は謎の大学生の正体は、、、。料理の美味しい小説と思いきや意外にも人間関係や親子関係がドロドロ系だった。でも最後にはホッとできて出てくる料理も美味しそうだった。2021/02/24
SJW
107
母が友達の父親と駈け落ちをして、置いていかれた茜は、旧家の九重家で祖母に育てられた。大学を卒業して家に戻ると頑固な祖母と母の駈け落ち相手の息子が住み着いていた。九重家の古い伝統の料理が再現され、季節折々の情景がそれに重なる。過去の不幸な出来事のためにそれぞれが気兼ねするという奇妙な生活が始まるが、徐々にお互い慣れてくる展開にほっとさせられた。茜の心境の変化がこの小説のメインテーマのように思う。2021/06/03
ひさか
88
2020年10月講談社タイガ刊。書き下ろし。九重家に伝わる家政暦という記録があるのが興味深いですが、お話には、あまり登場しません。旧家である九重家で暮すことになった3人のストーリーは、負な想いの哀しい家族の話が繰り返されるだけで、問題の人も登場のないまま、共感もできず、興味が持てませんでした。残るものはありますが、忘れたいと思います。ちょっと残念。2020/12/01
真理そら
75
茜の母親は小学校の卒業式の日に同級生の父親と駆け落ちしてしまった。祖母と二人で暮らした旧家に帰ると九重家に伝わる献立や行事を調べるという同学年の男子学生が同居していた。しばらくして茜はその男の子は母親の駆け落ち相手の息子だと知る。親にも娘にも捨てられたと思っている祖母、母親に捨てられた娘、父親に捨てられた息子という奇妙な3人の同居生活という設定についていけず、せっかくの美味しそうな料理も楽しめない読書だった。2022/07/02
しゅてふぁん
58
都会での就活に敗れ故郷に帰った茜を待っていたのは、母の駆け落ち相手の息子だったというヘビーな始まり。旧家九重家の伝統をテーマに卒論を書くという一と祖母の千代子に押し切られ、その再現を手伝うことに。伝統と言えば聞こえは良いけど現代の若者からしたら面倒で古臭いしきたりだ。就職先を世話してくれた叔父からの迷惑な要求、一と千代子それぞれの思惑、美味しそうな料理の数々。年中行事や献立暦を通して近づいていく家族の物語。2021/06/10
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