出版社内容情報
ぶらり浅草、ちょいと色恋。浅草・下町長屋の住人たちが降りかかる騒動を解決。注目女流時代作家、人気のシリーズ、第3弾!
内容説明
橋場町の川沿いで猫の桃を探していた真一郎に人殺しの疑いがかけられた!?番屋に囚われるなか、疑いを晴らすべく仲間と奔走する(「桃と桜」)。失師兼用心棒の真一郎や笛師の大介、謎めいた美女・多香など、江戸下町の人情と色恋が事件となって顔を出す―。共感必至の筆致で描かれる人気時代小説シリーズ!
著者等紹介
知野みさき[チノミサキ]
1972年千葉県生まれ、ミネソタ大学卒業。現在はカナダBC州にて銀行員を務める。2012年『鈴の神さま』でデビュー。同年『妖国の剣士』で第4回角川春樹小説賞受賞。『上絵師 律の似面絵帖 落ちぬ椿』を第一巻とする「上絵師 律の似面絵帖」シリーズが人気を博す(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ぶち
101
作品の方向が私好みになってきました。それは、長屋の住人一人一人がそれぞれお得意の技を持ったプロ集団として事件の解決にあたっていくというもの。定職に就かない遣い走りの弓師、真夜中に面を打つ面師、女のヒモで食べている笛師、鍵破りの腕も一流の錠前師、そして目が悪いが音に鋭い胡弓師....意図せずに一つの長屋に住まう店子たちがいつの間にかプロの集団として事件に立ち向かっていくのが、読んでいてすごくワクワクするのです。 おまけに、今作で明らかになった面師の過去にビックリ。ますますワクワク感が高まってきます。2021/11/23
真理そら
66
お多香さんの過去が少し明らかに…。今回は桃と真一郎の交流が猫好きには嬉しい。「旨いなあ」「にゃあ」「後で煮干しも一緒に食おう」「にゃあ」真一郎は猫相手の方が意思疎通がうまくいくのでは…。2020/10/17
baba
52
シリーズ3作目。多香の謎が明かされる。登場人物の設定がはっきりしていて、事件と人情を絡め、どきどきわくわくとスラスラ進む。最後の百物語は、話の中に実話を絡めた趣向が楽しい。2021/02/11
天の川
50
ますます面白くなってきました♪六軒長屋の面々の気心も知れてきて、阿吽の呼吸で動く心地よさったら。中でも謎が多かったお多香さんの出自が本人の口から語られ、これまでのことがストンと腑に落ちただけでなく、軽い読み応えだったシリーズに今後グンと深みが出ることが確約されたようで、ワクワクする。新たなサブキャラも期待大。2022/01/16
はつばあば
46
大介と競うようなイケメン蚊帳売りや美男の錠前師らが上方からやってきましたよ(#^.^#)。しかもお多香の出自がわかり・・真一郎、負けずにがんばりや!としか言えませんが(笑)。本を読める嬉しさが内容に弾みをつけてくれます。猫に鰹節。実家には鰹節削りがあった。めんどくさいけど美味しかったなぁ。今はもうパック入りのかつお節しか食べてへん(-_-;)。桃が羨ましいわ・・2023/06/12