出版社内容情報
ある寒い朝、道ばたに落ちていた、赤い毛糸の手袋は、雪降る中、もう片方の手袋を探しにでます。街はにぎやかで、両方そろった手袋たちが楽しそうに歩いています。昨日まで、自分たちはずっといっしょで、そんな日々が続くと信じていたのに……。大切な人を失った人へ届けたい物語。
内容説明
ふゆのひに、はぐれてしまった、あかいてぶくろと、もうかたほうのてぶくろ。たいせつなたからものにきづいた、てぶくろのおはなし。世界中の片方の手袋にささげます。
著者等紹介
いりやまさとし[イリヤマサトシ]
東京都生まれ。キャラクターデザイン、グリーティングカードのデザイナーを経てフリーのイラストレーターになる。絵本作品多数(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
anne@灯れ松明の火
32
遠い方の新着棚で。新聞で、いりやまさんのインタビュー記事を読み、読みたいと思っていた。相棒とはぐれてしまった赤い手袋の片方。一緒にいられるのが当たり前で、そんな日が続くと思っていたのに……。作品の背景を知っていた分、切なくて、切なくて……。でも、光と温かさの満ちたラストになっているので、いつか、おはなし会にも使いたい。リンクを貼るけれど、先入観なく読まれる方がいいと思うので、本を読んでからどうぞ。https://www.chunichi.co.jp/article/164380/2020/12/06
ヒラP@ehon.gohon
30
想像と違う悲しい結末に、ちょっとためらいを感じました。 落とされて片方だけになった赤い手袋は、もう一方の手袋を必死に探します。 その結果、赤い手袋は様々な思い出を描きながら一本の毛糸になっていきます。 ひとつのお話は終わり、それが新しいお話の始まりになるというフレーズが意味深です。 赤い毛糸は何に生まれ変わるのでしょう。 もう一方の手袋とはお別れです。2021/03/20
ふじ
23
季節もの、クリスマスあたりがより良い。片っぽになって忘れていかれた、あかいてぶくろのお話。自分も手袋落としたばっかりだから心が傷む…終わりがそうきたか!というかんじ。2022/01/20
ヨシ
18
喪失と再生をテーマに、吉本ばななさんのような柔らかな眼差しで描いた絵本。赤い手袋は離れ離れになったもう片方の手袋を探す。いつも一緒にいるのがあたり前だと思っていたのに…明日も一緒だと思っていたのに…モノトーンの絵に赤い手袋がひとつ。孤独が胸につきささります。そして、まさかのエンディング。身近な人を亡くした人に寄り添ってくれる優しいストーリー。作者のいりやまさとしさんが奥様を亡くされた後に書いた絵本と聞き納得しました。2021/04/16
にしがき
17
👍👍👍👍 不思議に哀しみと寂しさ、暖かさが心に染みてくる絵本。たしか新聞の書評に、作者の方が奥様を亡くされて描かれた絵本とあった。毎日一緒にいたり、近しく思っていた大切な人が亡くなってしまったときに再読したい。辛さを和らげてもらえるだろう。2022/01/15