出版社内容情報
鈴木 董[スズキ タダシ]
著・文・その他
内容説明
六五〇年近くに亘り、栄華を極めたオスマン帝国。東洋と西洋が交差する大帝都・イスタンブルで、人々はなにを食べていたのか。一五〇〇坪の大膳所で二百六十余名のコックが腕を振るったトプカプ宮殿の献立。屈強なるイェニチェリ軍団の、強烈な食い意地―。古料理書や、市場の食材物価表などを辿り、その興亡史を、「食」視点から大胆に考察する。
目次
巻ノ1 古都は食をはぐくむ
巻ノ2 遊牧の遺産
巻ノ3 ケバブのみがトルコ料理にあらず
巻ノ4 イスタンブルの市場めぐり
巻ノ5 君府料理尽し
巻ノ6 貧者の給食
巻ノ7 トプカプ宮殿の台所
巻ノ8 スルタンの食卓
巻ノ9 祝祭の饗宴
巻ノ10 「土」風から「洋」風へ
著者等紹介
鈴木董[スズキタダシ]
1947年生まれ。東京大学法学部卒業、同大学院法学政治学研究科博士課程修了。法学博士。東京大学名誉教授、トルコ歴史学協会名誉会員。専門はオスマン帝国史、比較史・比較文化(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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パトラッシュ
38
トルコ料理は世界三大料理の一つとされながら、フランスや中華に比べ関連書籍が少ない。日本人はケバブくらいしか知らないし、イスラムの影響も考慮しないとわからない部分もある。そんな謎めいたトルコ食文化の成立を、オスマン帝国の歴史と共に明らかにしてくれる。東西の通商路が交差する大帝国の首都だからこそ発展した料理の詳細が楽しく、トルコ旅行中しきりに飲んだ甘すぎるチャイの味を思い出した。ただイスラムの教えのため酒はないとしているが、現地の強い蒸留酒を水と間違えて一気飲みしてしまった過去がある者としては物足らなかった。2020/10/21
サケ太
26
イスタンブルの食文化史を俯瞰できる一冊。ビュザンティオン、コンスタンティノープルから、オスマン帝国の支配によりイスタンブルと呼ばれるに至った都市、もしくはオスマン帝国自体を舞台に、その地で食べられた様々な食事、食材。様々な土地から多くの食物が集まってくるという面白い土地柄。食事は多くの人々にとっての基礎であり、それがイェニチェリも支えていた(羊肉を安値で買えていたという)というのだから面白い。後に国庫にまで圧力をかけるまでになるというのは凄い。食文化の緩やかな変化。現在のイスタンブルの変化も興味深い。2020/10/06
トムトム
11
もっと見た目とか食べた感も書いてほしかった。2024/04/16
niz001
8
トルコ料理、主にイスタンブルの食文化。自分の知識が薄い地域なので興味深い。2020/10/25
しんさん
6
2度のチャンスをコロナに潰されてしまったんだが、イスタンブールツアーはまだあきらめてない。本場のイスケンデルケバブやトルコ天ぷらを食べてみたいし、金閣湾を眺めがら読書三昧の日々を送ってみたい。長生きすんぞ。2022/02/07