出版社内容情報
熱き戦後日本史全10巻!!
信なくば立たず、奮起す!
田中角栄が金脈政変で倒れ、後任は少数派閥を率いる三木武夫に。昭和51年(1976)、ロッキード事件が発覚、ついに田中が逮捕された!三木は政界浄化を名目に徹底解明を推進するが、「三木おろし」を狙う福田赳夫や大平正芳ら反主流各派は「挙党協」を結成して激突、自民党内は混乱する。だが、暮れの総選挙で自民党は敗北を喫し、三木は去る。
後継総裁・福田が昭和52年(1977)の参院選挙の勝利で躍る裏では、田中が大平政権実現に動き出していた。傑作戦後日本史第6弾!
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
highig
9
( ^ω^)椎名裁定下る!田中退陣を受けての後継総裁選出に向けて各派の思惑が火花を散らす。有力候補である福田赳夫、大平正芳、そのどちらを選んでも自民党の分裂は必至かという情勢の中、副総裁である椎名悦三郎は三木武夫を選択する。党分裂回避、世論の金権批判の厳しさを鑑みるにクリーン三木は時宜に適った選択にも思われた。しかし、その清廉潔白な惻隠の情を欠く冷たい正論は党内に強い反発を招き、遂に党を挙げての『三木おろし』が始まる。党内大多数を敵に回しながらも得意の正論と世論を武器に驚く程の粘り腰を見せる三木だが・・・2021/05/05
スターライト
3
”クリーン三木”は党内の反発を招き、三木おろしをその粘りでしのいだものの結局退陣。その中で中曽根の暗躍があったとは。三木の後を継いだ福田だったが、行革が官僚はもとより与党内での反対に遭い、一気に波乱を帯びていく。2021/12/03
Yanabod
3
元々、戸川猪佐武の原作のコミカライズで、たぶん再版なのだが、今読んでも面白い。田中の後、首相になった三木の老獪さと派閥から突き上げられても判断できない福田、大平。爪をとぐ中曽根とそれぞれに色々あるのだが、少なくとも今の政治家よりは骨太であり政治を真剣に考えていたのだが、たぶん派閥抗争が激化したこのあたりから政治の質が徐々に下がってきたようにも思える。2020/05/01
ぶるーめん
3
自民党の近代化を旗印に掲げた三木政権。オオイルショックからのインフレの処理やロッキードなどの局面で少数派閥の弱さから「三木おろし」の嵐に巻き込まれていく。このシリーズは権力闘争しかでてこない。数の論理に立ち向かう三木と、福田大平の情けなさだけが印象に残る。コロナの中物事が決められないのも、スケールは小さいまでもこういった権力闘争が裏にあるのだろうなと思う。本書は福田政権での行革まで。2020/04/16
ちゃーりー
2
扉絵どおり、三木武夫の巻。田中角栄の後を受けて、昭和49年12月9日から昭和51年12月24日まで、747日の在職日数。なお、後に総理として、クリーン三木の後継者と言われた、海部俊樹が内閣官房副長官を務めています。 当時はロッキード事件の真っただなかですが、後のリクルート事件などと違うのは、ベトナム戦争や、四次防などを背景とした、米国の軍産複合体が絡んでいることでしょうか。2020/10/04