内容説明
時代を超えた、時代にふさわしい名著を、新訳で!これは悲劇なのか?喜劇なのか?
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
かんやん
31
「歴史は繰り返す、一度は悲劇として、二度目はファルスとして」というのは、ナポレオンとその甥(ナポレオン3世)のことだったのか。第二共和制下の凄まじい権力争いを階級闘争として描き出す同時代人マルクスの手腕にエキサイトする。憲法の不備、行政(大統領)と立法(議会)の対立。二月革命後、まずプロレタリアが虐殺され、次に民主派が梯子を外され、ブルジョワ共和派が追法され、秩序党(王党派)が勝利する。秩序党が普通選挙を廃止し、弾圧を強めると、民意は当然のように大統領に。トンビに油揚げを攫わられる。かくも民主主義は儚い。2021/06/30
シッダ@涅槃
21
口語的でくだけた訳も相まって、えらく“今”の、ライブなことが欠かれている書かれていると思った。もちろん、この本でナポレオン三世(ルイ・ボナパルト)はけちょんけちょんにされてるのだが、そのライブ感があまりにも“今”(現代)を指してるようで、どす黒いところも過去の異国のもののは思えず、爽快感はそこまでない。ただ予備知識は[]書きの訳注などで補われてるので、あまりなくても読める。広くオススメしておきたい一冊。鹿島茂のルイ・ナポレオン本は逆に彼を評価してるんだって(あとがきによる )。なんだってーだ笑。2023/01/07
しんすけ
14
菅内閣は本年中に終わり、その後は第三次安倍政権が成立するだろう。菅内閣組閣も政権茶番劇であって悪夢の続きであるから驚くことでもない。 2012年12月26日は「晋三のブリュメール18日」だったと云える。そうして近日中に、2回目の「晋三のブリュメール18日」を見ることになるわけだ。 安倍晋三はアホ面をさらしているが、内面は強かな男だ。自身が危うくなれば仮病を装っても現実から逃げて回る。だが追及の手が弱まわれば、「良い薬ができました」とドヤ顔で登場するのは明らかである。2020/09/25
勝浩1958
6
歴史的背景を全く知らない私にはほとんどチンプンカンプンでした。ボナパルトは矛盾だらけの使命によって、あるときはこちらの階級を、またあるときはあちらの階級を、あるときは味方にしたり、またあるときは侮辱しようとして、すべての階級を怒らせた。なぜ、皇帝になれたのだろうか、その謎が述べられているのだが分かりにくかった。2022/02/13
がんちゃん
3
文化人類学者のレヴィ=ストロースが何か社会学か民俗学の問題に取り組む時に思考に活気をもらうために読む本として本書をあげていたのを思い出し読んでみる。うおッ、確かに冒頭の一文にガツンときました。なるほど、こういうことだったのか、と。しかし、それ以降ははっきりいってチンプンカンプン。何しろこちらはその当時の詳しい世情や政情も知らないし、そこに到った歴史もそれ以降のことも分かっていないんだから仕方ありません。と自分に言い訳しながら、それでも何かしら諧謔と皮肉にまみれた文章なんだという気にはさせられました(笑)。2022/10/08