出版社内容情報
沙耶と月也は、湯治のためにひと月の休暇をもらい、箱根に旅立つことになる。といっても関所を越えることはなく、箱根で湯治をして戻ってくるという予定の旅だった。旅の途中、保土ヶ谷でひと組の若夫婦と知り合うが、二人はなんと駆け落ちの途中だった。旗本の「鈴村兵庫」の娘「八重」が、使用人であった「丹次郎」と駆け落ちしてしまったのである。追手に捕まれば斬られるかもしれない、とおびえるふたりを拾って、「四人連れならバレないかもしれない」と合流する月也。駆け落ちの事情を聞きつつも箱根湯本の旅館でゆったりとすごす四人。ところが箱根の神社で八重の兄「十兵衛」に追いつかれてしまう。武士の意地と女の幸せのはざまに立って、月也と沙耶は決死の仲裁にはいるが……。
内容説明
沙耶と月也は奉行の勧めで、箱根へ湯治の旅に出る。途中、ひと組の男女と知り合うが、二人はなんと駆け落ちの途中だった。追手におびえる姿を見かねて、四人連れならバレないだろうと、合流を決め込む月也。だが、箱根の旅館に着く前に追手が現れ…。江戸時代の旅情あふれる、大人気書下ろし時代小説。
著者等紹介
神楽坂淳[カグラザカアツシ]
1966年広島県生まれ。作家であり漫画原作者(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
やま
115
うちの旦那が甘ちゃんで7作目 2020.03発行。字の大きさは…小。 風烈廻り方同心・紅藤月也と妻で月也の小者の沙耶は、奉行の筒井から「女敵討ち」を捕らえるため、夫婦で箱根へ湯治に行くよう命じられます。 今回は、月也と沙耶が旅に出ることから、二人の距離がすごく近くなっています。手を繋いで歩いたり、一つの布団に二人で入ったりと…。このため、いままでの書き方と少し違います。そこが楽しみかもしれないですね(^-^) また、東海道の宿場の食事の風景が良かったです。特に大磯の海水豆腐は、食べてみたいです(笑)2020/04/24
ジュール リブレ
58
シリーズ7巻目は箱根への湯治旅。ただの旅なんてはずはなく、駆け落ちに因んだ隠れた悪を暴き出す。このシリーズ、あまりシリアスでなく、案外、食べ物が美味しそうで何より。今回は東海道の宿場町の食事の風景がなかなかでした。大磯の海水豆腐とか。2020/03/22
kei302
53
シリーズ6で終わりかと思っていたので7作目が出て嬉しい。今回は沙耶と月也のふたりで箱根に湯治。沙耶組の面々がいない分、二人の甘~い会話で癒やされ、主に沙耶の活躍・月也は天然の言動・で不倫を煽るマスコミをたしなめ、企業の技術漏洩を防ぐ。現代と通じる部分があって読みやすくていい。子どもの抜参り道中の諸々が興味深かった。次作は6月。月也が女装?!2020/04/28
Nyah
51
最近流行りの「女敵討ち」とは不義密通や夫のある女が駆け落ちしたときに正式な手続きを踏み、許可を得て相手の男を討つもの。本当なら簡単に行えない筈だが、最近流行しているものは、正式なものではなく公衆の面前で辱めて、示談にするのだ。これまでは三年に一度もあれば多い方だったのに、最近は月に数度も行われている。沙耶と月也は、湯治のためという名目で箱根に旅立つ。途中程ヶ谷で知り合った男女が駆け落ちの途中。/ぼんくら旦那と駆け落ちの振りしてみたり、手を繋いでみたり相変わらず仲良しです。2022/08/22
nemuro
51
心和む、安定の<シリーズ>第7巻。楽しみに読み進めていた坂井希久子の<居酒屋ぜんや>シリーズが最終巻を迎えることを知り大いに落胆していた頃に偶然遭遇。勝手に時代小説シリーズの後継者と決めてゆったりと愉しんでいる。タイトルからはなにやら横柄で生意気な妻がイメージされるかもしれないがまったくそんな心配はない。ぼんくらと言われつつ実はフェミニストな同心・月也と、男装し小者として夫を助ける妻の沙耶。周囲の力を借りながら難事件を解決していく。“ほっこり時代小説”でありながらしっかりと江戸の生活と文化が描かれている。2021/08/14
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