粉体塗料の開発と応用

粉体塗料の開発と応用

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  • サイズ B5判/ページ数 280p/高さ 27cm
  • 商品コード 9784882312598
  • Cコード C3043

出版社内容情報

☆環境対応型塗料として注目される粉体塗料の現状と展望!
☆粉体塗料・塗装技術の全体像をまとめた日本初の成書!



                    刊行のねらい

 近年、地球環境は悪化の一途をたどっており、その改善を図る方策のひとつとして環境対応型新素材の研究と開発が、各分野において活発にくり広げられている。
 コーティング分野でも揮発性有機溶剤(VOC)の削減が引き続き求められており、日本においてもPRTRの法制化に続き、近い将来VOC規制の法制化の動きが強まるものと見られている。
 このような状況の中で、VOCを全く含まない環境対応型塗料として粉体塗料への期待が高まっている。
 現状では、日本の塗料生産に占める割合は2%に過ぎないが、・有機溶剤を含まない無公害性 ・ほとんど塗料ロスがない省資源型 ・高い塗膜性能 ・バラエティーに富む意匠性など、溶剤型塗料にはない優れた特徴を持っている。
 また従来需要増のネックとされていた薄膜化、耐候性、外観性の悪さなどの課題もかなりの水準でクリアされつつあり、今後の飛躍的な伸びが期待される。
 本書はこのような粉体塗料について、製造方法、材料開発の動向、塗料化の開発動向、前処理技術、装置、応用、将来展望など最新技術の全体像を、斯界の第一線の方々にまとめていただいた日本初の成書である。
 塗料メーカーはもとより塗料用樹脂、顔料、添加剤などの原料メーカー、塗装業者また今後環境対応塗装を検討される各産業分野の幅広い方々に、本書のご購読をお勧めする。


           執筆者一覧(執筆順)

武田 進   武田技術士事務所
伊藤春揮   旭サナック(株) 東京支店
阿河哲朗  大日本インキ化学工業(株) 樹脂第一技術本部工業塗料樹脂技術グループ
津田 昇   クラリアントジャパン(株)顔料添加剤事業部技術部
山瀬洋一郎 デグサジャパン(株) 化学品事業本部ピグメント部
田中祥介   メルク・ジャパン(株) 顔料事業部塗料グループ
多田敏夫   楠本化成(株) 研究所
長沼 桂   楠本化成(株) 技術部
中塚昭男   住友精化(株) 機能樹脂事業部 微粒子ポリマー部
岡野達郎   住友精化(株) 機能樹脂研究所
本間修司   久保孝ペイント(株) 技術研究部 粉体塗料グループ
五十嵐博   大日本塗料(株) 工業塗料本部 粉体塗料部
柏原章雄   日本ペイント(株) 工業用塗料事業本部PD部第2推進グループ
前田健蔵   日本油脂(株) コーティングスカンパニー
須田憲司   川上塗料(株) 第1技術部
佐藤勝信   川上塗料(株) 第2技術部
渡辺光之   (株)巴川製紙所 化成品事業部 企画部
河合宏紀   カワイEMI
古谷信夫   日本パーカライジング(株) アイオニクス事業部
渡辺 隆   ノードソン(株) 第二事業部リキッド/パウダーシステムグループ東京営業所
戸田紀三夫 トヨタ自動車(株) 第7生技部 塗装開発室
永井 稔   (株)トウペ 技術本部 東京技術部 工業品塗料課
増田 祥   大日本塗料(株) 工業塗料本部 粉体塗料部
平橋宗勝  平橋技術士事務所
平井正俊  住友デュレズ(株) 工業樹脂研究所 研究部


      構成および内容

第1章 総 論                  武田 進
1 はじめに
2 粉体塗料の特徴
3 粉体塗料と塗装の歴史
4 世界の粉体塗料の生産状況
5 最近の粉体塗装技術の概況
 5.1  高耐候性粉体塗料
 5.2  自動車車体のトップコート
 5.3  粉体塗料生産の少量多色対応
6 おわりに

第2章 粉体塗料の製造方法         伊藤春揮
1 はじめに 
2 液体塗料と粉体塗料の製造方法について
 2.1  液体塗料と粉体塗料の製造工程について
 2.2  粉体塗料の各種製造方法について
3 粉体塗料用製造機械について
 3.1  製造工程について
 3.2  製造フローシートについて
 3.3  製造機械について
 3.4  粉体塗料製造時の注意事項について
 3.5  梱包,輸送,保管について
4 粉体塗料の品質管理機器について
 4.1  粉体塗料の性状について
 4.2  粉体特性の測定機器について
5 粉体塗料塗膜の品質検査について
6 粉体塗料の新しい製造方法について
7 まとめ

第3章 粉体塗料用原料
1 粉体塗料用樹脂と硬化剤           阿河哲朗
 1.1  はじめに
 1.2  熱硬化性粉体塗料用ポリエステル樹脂
 1.3  熱硬化性粉体塗料用アクリル樹脂
 1.4  熱硬化性粉体塗料用エポキシ樹脂
 1.5  その他の粉体塗料用樹脂
 1.6  代表的な粉体塗料用硬化剤
  1.6.1 ポリイソシアネート化合物
  1.6.2 ポリエポキシ化合物
  1.6.3 ヒドロキシアルキルアミド
  1.6.4 アミノ樹脂
  1.6.5 グリシジル基含有アクリル樹脂
  1.6.6 脂肪族二塩基酸及び酸無水物
  1.6.7 固形アミン類
  1.6.8 酸無水物
 1.7  まとめと今後の開発動向
2 粉体塗料用顔料
 2.1  粉体塗料用有機顔料           津田 昇
  2.1.1 はじめに
  2.1.2 有機顔料に対する要求物性
  ・耐熱性
  ・耐ブルーミング性
  ・プレートアウト
  ・色相変化
  ・レベリング
  ・隠蔽力
  ・耐候性
  ・使用制限のある顔料
  2.1.3 有機顔料の色相域
  2.1.4 粉体塗料用マスターバッチ
  2.1.5 顔料以外の着色剤
 2.2  粉体塗料におけるメタリック顔料       山瀬洋一郎
  2.2.1 はじめに
  2.2.2 アルミニウム顔料の表面処理による特性
  ・未処理
  ・無機処理
  ・有機処理
  ・複合処理
  2.2.3 粉体塗料におけるアルミ顔料の分散手法
  ・メルト,エクストルージョン法
  ・ドライブレンド法
  ・ボンディング法
  2.2.4 安全性(粉塵爆発性)
 2.3  パ-ル顔料の粉体塗料への応用      田中祥介
  2.3.1 パール顔料
  ・パール顔料
  ・パール顔料の表面処理タイプ
  2.3.2 粉体塗料への応用
  ・ボンディング法
  ・ドライブレンド法
3 粉体塗料用添加剤                 多田敏夫,長沼 桂
 3.1  はじめに
 3.2  粉体塗料・塗装の問題点
 3.3  粉体塗料用添加剤
  3.3.1 添加剤の種類
  3.3.2 添加剤の作用
 3.4  粉体塗料用添加剤の効果
  3.4.1 表面調整剤の効果
  3.4.2 分散剤の効果
  3.5  おわりに

第4章 粉体塗料
1 熱可塑性粉体塗料                 中塚昭男,岡野達郎
 1.1  開発経過
 1.2  特徴,長所,欠点
  1.2.1 ポリ塩化ビニル
  1.2.2 ポリエチレン
  1.2.3 エチレン-アクリル酸共重合樹脂(EAA)
  1.2.4 ケン化EVA
  1.2.5 ポリプロピレン
  1.2.6 ナイロン
  1.2.7 飽和ポリエステル
  1.2.8 熱可塑性フッ素樹脂
  1.2.9 PPS
 1.3  焼付条件,性能
 1.4  用途
 1.5  最近の技術開発状況
 1.6  環境・健康に及ぼす影響
 1.7  技術の将来展望 
2 エポキシ系粉体塗料                 本間修司
 2.1  開発経過
 2.2  特徴,長所,欠点
 2.3  硬化機構
  ・アミン硬化型
  ・酸無水物硬化型
  ・フェノール硬化型
  ・ポリエステル硬化型(ハイブリッド系)
  ・イソシアネート硬化型
 2.4  焼付条件・塗膜性能
 2.5  用途
 2.6  最近の技術開発状況
 2.7  環境・健康に及ぼす影響
 2.8  技術の将来展望
3 ポリエステル系粉体塗料                 五十嵐 博
 3.1  はじめに
 3.2  粉体塗料用ポリエステル樹脂について
 3.3  ポリエステルウレタン粉体塗料
  ・特徴
  ・反応機構
  ・塗膜性能
  ・用途
  ・今後の課題
  ・高耐候性ポリエステル粉体塗料
 3.4  ポリエステルTGIC粉体塗料
 3.5  新しいポリエステル粉体塗料
  ・β-ヒドロキシアルキルアミド(HAA)硬化型粉体塗料
  ・テトラメトキシメチルグリコールウルリ硬化型粉体塗料
  ・新規エポキシ硬化型粉体塗料
  ・アリファティックオキシラン硬化型粉体塗料
 3.6  おわりに
4 アクリル系粉体塗料                    柏原章雄
 4.1  はじめに
 4.2  アクリル系粉体塗料の特徴と用途
 4.3  アクリル系粉体塗料の構成
 4.4  アクリル系粉体塗料の性能
 4.5  アクリル系粉体塗料の技術開発動向と今後
 4.6  おわりに
5 フッ素樹脂系粉体塗料                  前田健蔵
 5.1  はじめに
 5.2  熱可塑性フッ素樹脂系粉体塗料
  ・開発経過
  ・特徴
  ・将来展望
 5.3  熱硬化性フッ素樹脂粉体塗料
  ・開発経過
  ・特徴
  ・硬化機構
  ・焼付条件,塗膜性能
  ・耐侯性評価方法
  ・用途
  ・最近の技術開発状況
 5.4  技術の将来展望
6 変わり塗り粉体塗料                   須田憲司,佐藤勝信
 6.1  はじめに
 6.2  変わり塗り粉体塗料の種類
 6.3  変わり塗り粉体塗料の設計
  6.3.1 艶消し粉体塗料
  6.3.2 凹凸模様粉体塗料
  6.3.3 メタリック・パール調粉体塗料
  6.3.4 スウェード調粉体塗料
  6.3.5 スパッタ-模様
  6.3.6 亀甲模様(チヂミ模様)
  6.3.7 その他(蛍光・蓄光・光反射塗料等)
 6.4  変わり塗り粉体塗料の塗装技術
  6.4.1 焼付温度条件と硬化挙動
  6.4.2 塗装技術上の制約と注意点
7 小粒径粉体塗料                    渡辺光之
 7.1  はじめに
 7.2  小粒径粉体塗料の特徴
  ・薄膜化の実現
  ・レベリング性の向上
  ・塗料使用量の削減
 7.3  小粒径粉体塗料の物性
  ・平均粒子径と粒子径分布
  ・カサ比重
  ・帯電量の測定
  ・レベリングと表面粗さ
  ・ガラス転移温度(Tg)
 7.4  塗装機とのマッチング
  ・塗着効率の低下
  ・静電反発の発生
  ・塗装ラインでの供給及び搬送不良
  ・回収粉の品質劣化
 7.5  あとがき

第5章 粉体塗装の前処理              河合宏紀
1 はじめに
2 素材(加工された形状を含む)について
3 前処理各論
 3.1  素材と前処理の関連
 3.2  りん酸塩化成処理
 3.3  クロメート処理及びノンクロメート処理
4 前処理設備
 4.1  処理工程
 4.2  各設備内容
5 前処理の品質管理

第6章 粉体塗装装置
1 静電粉体塗装システム                  古谷信夫
 1.1  はじめに
 1.2  粉体塗装の特徴
 1.3  粉体塗装の適用分野
 1.4  粉体塗装の方法と原理
 1.5  粉体塗装システムの構成
 1.6  最新の静電粉体塗装装置
 1.7  自動色替えシステム
 1.8  電界クラウド塗装システム
 1.9  おわりに
2 摩擦帯電型静電粉体塗装機器               渡辺 隆
 2.1  はじめに
 2.2  静電気帯電現象
 2.3  コロナチャージ方式とトリボチャージ方式
  2.3.1 コロナチャージ方式
  2.3.2 トリボチャージ方式
 2.4  トリボ・パウダーコーティングシステム
  2.4.1 帯電量
  2.4.2 トリボガン
  2.4.3 スプレーヘッドとノズル
 2.5  トリボシステムの特徴
 2.6  トリボシステムの応用と留意事項
  2.6.1 トリボシステムの応用
  2.6.2 トリボシステムの留意事項
 2.7  おわりに

第7章 応 用
1 自動車車体の粉体塗装                   戸田紀三夫
 1.1  はじめに
 1.2  近年の動向
  1.2.1 米国
  1.2.2 欧州
  1.2.3 日本
 1.3  自動車車体用粉体塗装システム
 1.4  パフォーマンス
  1.4.1 基本性能
  1.4.2 生産におけるパフォーマンス
 1.5  粉体塗装の将来性
2 鋼製家具類の粉体塗装                     永井 稔
 2.1  はじめに
 2.2  鋼製事務用家具向け,粉体塗料
  2.2.1 塗料の品質
  2.2.2 粉体塗料
  2.2.3 粉体塗装
  2.2.4 鋼製家具用粉体塗料の塗膜性能
 2.3  おわりに
3 粉体PCM                             須田憲司
 3.1  はじめに
 3.2  粉体PCMと溶剤型PCMの比較
 3.3  PCM粉体の設計
  3.3.1 使用される硬化形式
  3.3.2 PCM粉体に要求される塗料特性
  3.3.3 塗料設計に当たって考慮すべき各種要因
 3.4  PCM粉体塗装ラインの設計
  3.4.1 設備例
  3.4.2 粉体PCM用焼付炉の方式と特長
  3.4.3 PCM粉体塗料の焼付条件と塗膜性能
 3.5  新規の高速粉体PCMライン
 3.6  今後の粉体PCMの用途展開
4 水道管,地下埋設管の粉体塗装               増田 祥
 4.1  はじめに
 4.2  水道管について
 4.3  埋設管に要求される性能
 4.4  粉体塗装管が採用される理由
  4.4.1 内面ライニング管に要求される防食性能
  4.4.2 塗装作業面
  4.4.3 水道管路敷設費用の削減
 4.5  粉体塗装に適用される規格
 4.6  埋設管への粉体塗装について
  4.6.1 塗装方法
  4.6.2 被塗物の清掃
  4.6.3 塗面異常の種類とその対策について
 4.7  粉体塗装の安全性について
5 建築用アルミニウムの粉体塗装                平橋宗勝
 5.1  アルミ建材の粉体塗装の概要
 5.2  西欧主要国のアルミ建材粉体塗装工場の状況
 5.3  アルミ建材用粉体塗料の選択
 5.4  粉体塗装アルミ建材の耐久性
 5.5  アルミ建材粉体塗装の関する規格
 5.6  アルミ建材の粉体塗装工程
 5.7  アルミ建材粉体塗装のコスト
6 高耐熱性粉体塗料と低温硬化粉体塗料           武田 進
 6.1  はじめに
 6.2  高耐熱性粉体塗料
  6.2.1 無機耐熱塗料
  6.2.2 溶剤型耐熱塗料
  6.2.3 高耐熱性粉体塗料
 6.3  低温硬化粉体塗料
  6.3.1 紫外線硬化型粉体塗料
  6.3.2 低温硬化型粉体塗料
 6.4  おわりに
7 電気絶縁用粉体塗装                      平井正俊
 7.1  粉体塗装方式と塗装機
 7.2  電機・電子部品への粉体塗装…流動浸漬塗装
  7.2.1 絶縁塗装方式
  7.2.2 電子部品と塗装適合課題
  7.2.3 粉体塗装機
 7.3  モーター部品への粉体塗装…靜電流浸塗装
  7.3.1 スロット絶縁
  7.3.2 コイル固着
 7.4  その他の用途
  7.4.1 電線
  7.4.2 リングコイル
 7.5  電気絶縁用粉体塗料
  7.5.1 要求特性
  7.5.2 粉体塗料の特性一覧

第8章 粉体塗装技術の将来展望              武田 進
1 はじめに
2 粉体塗料の安全性
3 新しい粉体塗料の製造法
 3.1  VAMP法
  3.1.1 超臨界流体二酸化炭素
  3.1.2 製造法の概要
 3.2  凍結乾燥法
4 新しい粉体塗装技術
 4.1  高速粉体PCM塗装
  4.1.1 電磁ブラシ技術
  4.1.2 電磁ブラシ技術のカラー化
 4.2  バレル方式の粉体塗装
5 粉体塗料の将来展望

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