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内容説明
日常は坦々と進んでいく。彼の大きな変化をのぞいて―。ある朝、目覚めると異常に気づく。俺は虫だ。巨大な甲虫になっている。だが、かまってはいられない。仕事に行かなくては。俺は家族を養わなくてはならないのだから…。実存主義的文学の先駆者であるカフカの代表作「変身」をまんが化。平凡な日常から逃げ出せない一市民におこった異常な変化を真剣に、時にコミカルに描き、実存とはなにかに迫る。
著者等紹介
カフカ,フランツ[カフカ,フランツ] [Kafka,Franz]
1883年‐1924年。現在のチェコ出身のドイツ語作家。生前は評価されることはなかったが、友人により整理された遺稿により一躍脚光を浴びた。実存主義の見地から、20世紀を代表する作家とされる。数多くの中・長編小説を残している(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
Tomomi Yazaki
9
原作を読んでないので何とも言えないけど、極めてコミカルに描かれたシュールな漫画です。主人公は巨大な甲虫に変わったとあるが、ムカデのように多足のどう見てもゴキブリ。一体、彼に何が。そんな状況とは裏腹に、何とか冷静な対応を試みる主人公。内容はともかく、なかなか味のある下手くそな絵が、不条理な世界をいみじくも表現している。登場人物はみな白人だが、その生活ぶりはまさに日本。お札も野口英世だし。これからカフカの『変身』を読む人にとって是非読んでほしい。期待のない不安を駆りたてる、救いようのない禁断の漫画だから。2019/09/29
こぽぞう☆
9
むかーしに、まんがじゃなくて読んだが、須賀原さん好きなので買ってみた。虫の脚の数が気になる。2019/09/28
タキタカンセイ
1
前作のまんが『異邦人』より本作のほうが著者には合っている。グレゴールの「気持ち悪さ」、悲しさがよりわかりやすく描かれている。グレゴールを現代日本に連れて来て「冒険」させたら面白いかも、と思った。2020/03/15
tban
1
教養としてのカフカ 今までも散々教養系のテレビや、さまざまに引用されている 超有名作品だが、何しろとっつきにくく面白いかと言われれば、 人それぞれだと思う。だからこそ、これくらいが丁度いい。 知らないよりは、知っていたほうが何かと便利な作品です。2019/09/17
雪国
0
虫になってしまった人間が、家族から切り離されるまで。何を暗示しているのか興味深い。2024/03/29