出版社内容情報
千百人の従業員の命運をかけ、宮野弁護士の必死の活動が始まる。高杉良の代表作、待望の新装版!
内容説明
老舗商社が放漫経営で倒産へと追い込まれた。負債総額は一一〇〇億円を超える。会社更生法を申請するも再建にはみな懐疑的。社員とその家族を守るため、保全管理人になった弁護士の宮野英一郎とともに商社再建に賭けた男たちが立ち上がる。企業小説の第一人者が描く感動のビジネス&リーガルストーリー。
著者等紹介
高杉良[タカスギリョウ]
1939年東京都生まれ。専門紙記者・編集長を経て、’75年『虚構の城』でデビュー。以後、緻密な取材に基づいた企業小説・経済小説を次々に発表する。著書多数(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
PEN-F
38
頑張ってください!✊2022/07/10
海燕
6
多額の負債を負って破綻した商社の再建を題材にした、実話をベースとする小説。保全管理人となった弁護士が、代理店契約を結ぶ海外ブランドの撤退、巨大な外資企業の接近など、様々な困難を社員や同僚弁護士らとともに乗り越えていく、という物語だ。著者の初期作品には、企業人を応援する賛歌のようなものが多い。この作品も35年以上前のもので、これを読んで熱くならずにいられない私も昭和の人間だと思う。自動車電話が出てきたり、危急の仕事の話のためにわざわざ自宅を訪ねる場面などは時代を感じる。時に手に取りたくなる作家の一人だ。2022/11/22
コロンボ
6
本作は1980年代に多額の負債を抱えて破綻した大沢商会の再建に向け、当時、倒産処理の第一人者と称された弁護士・三宅省三氏をモデルにした小説。 1000億円以上の負債を抱えて倒産した老舗商社・小川商会の会社更生法の適用に向けて立ち上がった弁護士の宮野英一郎が保全管理人として、会社再建を進める物語。誰もが再建は難しいと見る中、会社再建に賭ける男たちの姿には元気が出る。社員への再建に向けた熱いメッセージや倒産に導いた経営者への責任追及、支援者との交渉、新聞記者との駆け引きなど、引き込まれるシーンが多くあった。2022/09/05
tetsugy
3
読み終わってから、事実に基づいた話だとわかって、びっくりしました。 宮野管財人は50歳になっていますが、それにしても落ち着いており老練な感じ描かれており、70過ぎじゃないかと思ったぐらいです。 半沢直樹みたいに、どんでん返し的なものはないですが、好感がもてる主人公なので、読み終わりも清々しい。2021/06/04
myvi
1
図書館。今も更生法だったり民事再生法を適用する会社はあるが、本作は更生法適用会社の話で、管財人たる弁護士が主役。小説が溢れる現代においてはちょっと回り道が少ない作品ではあるものの、登場人物の誠実な人柄と粘り強さが描かれていて、楽しく読めた。2022/11/09