出版社内容情報
生まれたときからロス(損)している世代と言われているけれど、
そろそろ本当の自分の人生を起動したいーー。
40歳、フリーランスのライター、正規雇用経験なし、未婚。
たった一人の肉親である母を亡くしてから、漠然とした喪失感を抱えていた。
ある日、偶然再会した元同僚の「死ぬまでにやりたい10のこと」リストの作成を手伝ってから、
少しずつ世界が変わり始める。
--「ロスジェネ世代」と言われた自分たちは、いったい何を「ロス」してしまったのだろうか。
すべての人生を肯定する、注目若手作家の最新書き下ろし!
内容説明
40歳、フリーランスのライター、正規雇用なし、未婚。就職氷河期ど真ん中経験者で、不景気しか知らない。たった一人の肉親である母を亡くしてから、漠然とした喪失感を抱えていた。ある日再会した元同僚の「死ぬまでにしたい10のこと」リスト作成を手伝ってから、少しずつ世界が変わり始める。
著者等紹介
平岡陽明[ヒラオカヨウメイ]
1977年生まれ。慶應義塾大学文学部卒業。出版社勤務を経て、2013年『松田さんの181日』(文藝春秋)で第93回オール讀物新人賞を受賞し、デビュー(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
おしゃべりメガネ
210
なんだろう、スッゴく大爆発的に感動したってワケではありませんが、ジワジワとゆっくり感動させる構成にすっかり魅了されました。主人公は'ロスジェネ'世代で、母子家庭で育ちながら最愛の母を亡くし、途方にくれるフリーライターです。そんな彼が編集者からあらゆる企画を持ち込まれ、愚直?に取り組む姿勢に哀愁すら感じてしまいます。取材の中で出会ったアスペルガーの女性との話がなんとも言えないキモチにさせてくれます。この話を読むだけでも、本作を手にとる価値は十分にあるかなと。もっと彼女との話を読んでみたかったかなと思います。2019/11/18
しんごろ
205
本当の人生を起動したいと思ってる40代フリーライター吉井くんの話。親なし、貧乏暇なし、彼女なし。何もかも喪失(ロス)してると思ってる吉井くん。今はロスだと思っていても、いつか大きな財産になるとやがてわかるよ。人生はいつでも起動できるのだから。そして何度でも。恋も(これが切ない)、婚活も、それも全て吉井くんの財産。それにしても『居酒屋カンちゃん』は、やばい。ツマミ持参でお邪魔したい。「十四代」、「而今」だと~。とんでもないわ!(笑)この物語を通して、人生あがいていこう!という事を学んだ気がします。2019/10/13
散文の詞
146
フリーのライターが本を作るところは新鮮でした。 というか、こんな安易な感じでつくってる? で、物語全体としては、もどかしさでイッパイでした。 多分、読む人の年代によって感じ方が違うのでしょう。 自分もやりたいことかき出してみようかな。 2021/11/02
kanegon69@凍結中
121
主人公はロスジェネ世代。フリーランスのライターで低収入。40代で未婚。母子家庭で育った母を昨年亡くす。そんな彼と周りの物語。同世代の方は就職氷河期の経験を思い出すかもしれない。私は少し前の時代だから直接的ではないが、ロス(喪失)と言う心の闇や、本当の人生を歩めてないかもと言う感覚は誰もが何らかしら人生を歩むうちに経験する事かもしれない。この世は矛盾だらけ。不公平、差別、偏見、格差、喪失、大なり小なり皆んなロス男・ロス女になりうる。自分ではどうしようもない悩みを抱えた時の過ごし方を考えさせられた良作でした!2020/01/20
sayuri
111
6話収録の連作短編集。会話が多いのでサクサク読める。主人公はフリーランスのライター・吉井。40歳、独身。母を亡くし、一人漠然とした喪失感の中で過ごしている吉井だが、本人は『そろそろ本当の自分の人生を起動したい』と思いながら日々を送っている。そんな吉井の前に現れた元同僚のカンタロー。通称カンちゃんの「死ぬまでにしたいこと」リストの作成を手伝ったり、アスペルガーの女性と接してみたり、婚活パーティーに参加したり、年齢も性別も全く異なる人達に関わる事で少しずつ変わっていく吉井の姿が微笑ましい。優しくて温かな物語。2019/11/15




