講談社選書メチエ<br> 昭和・平成精神史―「終わらない戦後」と「幸せな日本人」

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講談社選書メチエ
昭和・平成精神史―「終わらない戦後」と「幸せな日本人」

  • 磯前 順一【著】
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  • サイズ 46判/ページ数 280p/高さ 19cm
  • 商品コード 9784065169483
  • NDC分類 210.76
  • Cコード C0336

出版社内容情報

 敗戦から70年以上が過ぎ、元号も2度あらたまって、いよいよ昭和も遠くなりつつある。「もはや「戦後」ではない」という宣言から数えてもすでに60年以上が経った。しかし、私たちが生きているのは、今なお「戦後」なのではないだろうか。毎年、戦後何年になるかを数え、ことあらば「戦後初」をうたう。私たちが生きている時間は、つねに「戦後」を起点とし、「戦後」に規定されている。これはいったいなにを意味しているのだろうか。令和の時代を迎えても加速する一方の「息苦しさ」、「生きづらさ」は、実はこの「終わりなき戦後」の終わらなさにこそ原因があるのではないか――。
 本書は、「戦後」という幸福な悪夢の外側に、どうにかして越え出るために、昭和・平成を貫く時代精神の真の姿を映し出す試みである。
 太宰治の絶望、ゴジラに仮託された不安、力道山が体現した矛盾、さらにオウム真理教という破綻と癒えることのない東日本大震災の傷。戦後日本社会の精神史は、東京オリンピックや大阪万博、インターネットの普及など華やかな出来事や物質的豊かさの影で、それを支えるためにそこから排除されてきた人々の嘆きと悲しみの声に満ちている。その声に耳を傾け、「息苦しさ」と「生きづらさ」の根源から目を逸らさず、その姿を受けとめること。「戦後」を終わらせるため、声高になることなく、著者は静かに繰り返し私たちに語りかける。
 うわべだけの「幸せな日本人」を脱ぎ捨て、敗戦から日本社会が抱えこんできた絶望を直視したときにはじめて、希望もまた輝きはじめる。「終わりなき戦後」から、かけがえのない一歩を踏み出すのための、時代に捧げる鎮魂歌。

内容説明

毎年、戦後何年目かを数え、ことあらば戦後初をうたう。私たちは今なお「戦後」という時間のなかを生きている。便利で豊かで、息苦しさが募るばかりの「戦後」はいつ終わるのか。太宰治の絶望、ゴジラに仮託された不安、力道山が体現した矛盾、オウム真理教という破綻と癒えることのない東日本大震災の傷。急激な経済発展の裏側で切り捨てられた人びとの声に耳を傾け、敗戦で抱え込んだ矛盾を直視する時、はじめて「戦後」の外側が見えてくる。「戦後」に訣別するための、二つの時代に捧げる鎮魂歌。

目次

第1章 「戦後」というパンドラの匣―太宰治からの問い
第2章 失われた言葉―東日本大震災と「否認」の共同体
第3章 謎めいた他者―ゴジラと力道山、回帰する亡霊たち
第4章 真理の王―オウム真理教と反復される天皇制
第5章 民主主義の死―シラケ世代と主体性論争、そして戦争のトラウマ
第6章 戦後の「超克」―沢田研二、その空虚な主体の可能性

著者等紹介

磯前順一[イソマエジュンイチ]
1961年、茨城県生まれ。東京大学大学院人文科学研究科博士課程中退。博士(文学)。現在は国際日本文化研究センター教授。専門は宗教学、批判理論(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

かんがく

13
思想史ではなく「精神史」なので、ラカンの「大文字の他者」という概念が中枢に置かれて戦後日本が分析される。在日、原爆、オウム真理教、3.11などを扱いながら、戦争責任と天皇制についての日本人の「否認」の構造を明らかにして、「現代の超克」を提示。それほど真新しい視点ではないが、昭和から平成にかけての様々なトピックを一つのテーマで繋げているため面白く読めた。丁寧だが心に突き刺さる文体。2021/06/23

風に吹かれて

13
オウム、ヒロシマ・ナガサキの被爆、東日本大震災のときの被曝、軍隊が駐留している米国植民地日本などを取り上げる。経済優先の繁栄を信じる(信じたふり?)日本の陰の、小さな声なき声。それは充分承知している、それでどこへ話を進めていくのだろう、と戸惑いながら、読むのをやめようかという気持ちを抑えつつ読了。➡2020/01/23

元気伊勢子

6
日本のことが知りたくて読んだのだけど、物事を様々な角度から見るって難しいよね。難しいからと言って諦めたくはない。2021/04/30

本命@ふまにたす

2
著者自身の関心事項や経験を題材として、戦後日本社会を論じる。思想的というか政治的立場は論争的なものがありそうだが、最後沢田研二で占めるあたりも含め、オリジナリティが感じられる内容となっている。2022/05/03

そあ

1
伸びやかで熱がある不思議な文体だった 3.11にかんしては福島に幽霊が見られない話とかいわき湯本の対立の話とかに新規性があったと思う 2021/04/17

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