内容説明
ともだちがいないけれどひとりでもへいきなハリネズミは、いつでも思ったことをそのまま、くちにだします。背中のハリだけでなく、言葉もちくちくしているのです。そんなハリネズミがある日「たべられないし、やくにもたたない」どろだんごをつくっているもぐらと出会います。ハリネズミもまた、だれにもみせないでひとりで楽しむものをつくっていました。こどもも大人も楽しめる絵童話。
著者等紹介
藤野恵美[フジノメグミ]
1978年、大阪府堺市に生まれる。大阪芸術大学卒業。2004年『ねこまた妖怪伝』で第2回ジュニア冒険小説大賞を受賞しデビュー。児童書、一般書の両部門で活躍している
小沢さかえ[オザワサカエ]
1980年、滋賀県生まれ。京都造形芸術大学芸術学部洋画コース卒業。2004年から2008年まで、ウィーン造形美術アカデミーに留学。主にMORI YU GALLERYで展示発表を行うほか、国立国際美術館でのグループ展に参加。台湾、香港でも個展を開催している(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
はる
84
これは好み!ここ最近で一番好き。子供よりもむしろ大人のほうが響く内容。友だちのいないハリネズミ。でもモグラくんと仲良くなったことで少しずつ変わっていきます……。生まれて初めて友情の楽しさを知るハリネズミ。でも同時に悲しみや失望の感情も知ってしまう…。混乱する彼にそっとアドバイスをするモグラの言葉がとてもいいんです。淡々としているけれど、心に沁みる。優しさに溢れた物語です。2020/01/04
chimako
66
誰かと関わらず一人でも大丈夫と思って生きてきたハリネズミ。ウサギさんに心無いことばを投げつけてしまう。そのことばが何故ウサギを傷つけるのかも分からなかったハリネズミがもぐらと言う友だちを得て気持ちの持ち方が変わってくる。友だちが増え、それ故に残念な思いや悲しい気持ちになると「だったら知らなければ良かった」と投げてしまうハリネズミ。もぐらの言葉で違う考え方を身に付けていく。二人で見た夜明けは二人の新たな門出を祝うよう。幸せな気持ちはささやかな一言に宿る。カワウソはどうなんだろう。こういう人はいるよね(笑)2024/04/19
おたけஐ೨💕🥒🍅レビューはボチボチと…
65
87/100点 児童書なのですが大人がよんでも十分楽しめる作品。ともだちとは・・・しあわせとは何かということを考えさせられる作品です。なかなか奥が深い・・・、オススメです!2019/11/24
☆よいこ
65
児童書だけど大人もしっとり読める。背中にトゲ、心にもトゲのあるハリネズミはひとりが好きで、マイペースに暮らしていた。ウサギに「花が似合わない」と言って泣かせ、カワウソに「友達がいないと困ることになるぞ」と嫌味を言われ、なんとなくモヤモヤする。ある日出会ったモグラは臆せずハリネズミの針に触れてきた。モグラの作った泥団子とハリネズミの作った刺繍を交換し、ふたりは友達になる。モグラのおかげで世界が広がるハリネズミ。だけど、お別れがくる。▽とてもいいお話。字が小さめなので高学年向きかな2019.10発行2020/02/07
ぶんこ
63
悪い方へと考えてしまうハリネズミでしたが、いつも良い方に考えるモグラと出会えてかわっていきます。物事を良い方へと考えられる思考の持ち主と友達になれるって人生明るくなりお得感満載。ハリネズミ君よかったね。一緒に朝焼けを長めに行った場面が素敵でした。絵も素敵でした。2020/01/16