出版社内容情報
「雲から雨が降る」という、一見あたりまえの自然現象の仕組みと奥深さを探究した、気象学の入門書。
なぜ雨は、滝のようにつながって落ちてこないのか。雨粒はどんな形をしているのか。小雨の雨粒と、大粒の雨粒は、どのくらい大きさが違うのか。雲粒と雨粒の境目はどこにあるのか。なぜ、雨が降りやすい雲と、降りにくい雲があるのか。水蒸気が凝結するための「雲粒の種」とは。自己増殖し、自己組織化して雨を降らせる、生物のような積乱雲の生涯とは――。
傘とレインコートで日常的な雨対策をし、冬にも豪雪に見舞われる日本列島の降雨事情は、地球上でも特異なものだという。その地形的特質から、近年多発する集中豪雨のメカニズムとエルニーニョ現象、温暖化のカギを握る雲の種類、さらに、「人類の夢」である人工降雨や気象の人工調節の可能性まで、雲・雨・雪の研究に尽くした第一人者が、平易に解説する。北海道大学名誉教授・藤吉康志氏が巻末解説を執筆。〔原本:『雨の科学――雲をつかむ話』2005年5月、成山堂書店刊〕
〈目次〉
1 地球に降る雨のミクロな特徴
第1章 雨粒の形と大きさ
第2章 雨の強さと雨粒の大きさ分布
第3章 雨が降る雲、降らない雲
第4章 多くの雨は雪が融けたもの
第5章 雨の降り方は人間活動によって変わる
2 雲の組織化
第6章 積乱雲の生涯
第7章 生物のような積乱雲
第8章 集中する豪雨
第9章 人工衛星から観る雲の群
第10章 地形の働きによる降雨の強化と集中
3 雨の気候学
第11章 気候域と雨量
第12章 亜熱帯域の降雨
第13章 雨のテレコネクション
第14章 雨の経年変化
第15章 水惑星の水問題
解説 藤吉康志
索引
内容説明
なぜ雨は、滝のようにつながって落ちてこないのか。雨粒はどんな形をしているのか。雲粒と雨粒の境目はどこにあるのか。雨が降りやすい雲と、降りにくい雲の違いとは。近年多発する集中豪雨のメカニズム、温暖化を進める雲の種類、さらに人工降雨の可能性まで、「雲から雨が降る」という、当たり前の現象の仕組みと奥深さを探究する。
目次
1 地球に降る雨のミクロな特徴(雨粒の形と大きさ;雨の強さと雨粒の大きさ分布;雨が降る雲、降らない雲;多くの雨は雪が融けたもの;雨の降り方は人間活動によって変わる)
2 雲の組織化(積乱雲の生涯;生物のような積乱雲;集中する豪雨;人工衛星から観る雲の群(クラウド・クラスター)
地形の働きによる降雨の強化と集中)
3 雨の気候学(気候域と雨量;亜熱帯域の降雨;雨のテレコネクション;雨の経年変化;水惑星の水問題)
著者等紹介
武田喬男[タケダタカオ]
1936年、東京都生まれ。東京大学理学部物理学科卒業。名古屋大学大気水圏科学研究所教授などを経て、名古屋大学名誉教授。また、日本気象学会理事、学術会議気象学研究連絡委員会委員、日本ユネスコ国内委員会委員、鳥取環境大学環境情報学部教授なども務める。日本気象学会賞(1973年)、日本気象学会藤原賞(2001年)を受賞。2004年没。正四位瑞宝中綬章(没後叙勲)(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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