講談社学術文庫<br> 物質と記憶

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講談社学術文庫
物質と記憶

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  • サイズ 文庫判/ページ数 392p/高さ 15cm
  • 商品コード 9784065156377
  • NDC分類 135.4
  • Cコード C0110

出版社内容情報

フランスを代表する哲学者アンリ・ベルクソン(1859-1941年)が残した主著の一つである『物質と記憶』(1896年)については、すでに7種もの日本語訳が作られてきた。そのすべてを凌駕するべく、第一級の研究者が満を持して新たに訳出した本書は、簡にして要を得た「訳者解説」と相俟って、日本語でベルクソン哲学の真髄を伝える、文字どおりの「決定版」である。今後、本書を手にせずしてベルクソンは語れない。


フランスを代表する哲学者アンリ・ベルクソン(1859-1941年)が残した主著の一つである『物質と記憶』(1896年)については、すでに7種もの日本語訳が作られてきた。1914年に初版が刊行された高橋里美訳(星文館。1936年には岩波文庫に収録)のあと、戦前には北れい吉訳(新潮社、1925年)が、そして戦後になると、田島節夫訳(白水社、1965年)、岡部聰夫訳(駿河台出版社、1995年)が続いたあと、近年は、合田正人・松本力訳(ちくま学芸文庫、2007年)、竹内信夫訳(白水社、2011年)、熊野純彦訳(岩波文庫、2015年)が数年おきに刊行されてきている。
そのような状況の中、ここに生み出された新訳は、19世紀フランスに見出される唯心論の潮流をもフォローしつつベルクソン研究を最先端で支える第一級の研究者が満を持して送り出すものである。既訳のすべて、そして公刊された原文のエディションすべてを比較・検討した上で、日本語としての読みやすさへの配慮はもちろん、「単語単位での一対一対応の翻訳」を徹底的に排して「ベルクソンの議論や論証の流れをできるかぎり正確かつ明晰に写す」ことを目指して造り出された訳文は、どの既訳とも異なる、まさにベルクソンの思考の息吹きを伝えるものとなった。
学位論文『意識に直接与えられたものについての試論』(1889年)のあと、ベルクソンが「イマージュ」を軸に据えて展開した思考は、どこへ向かうのか? 本書では、簡にして要を得た「訳者解説」で読解のための道標を立て、1. 主観ないし意識とは、閉じたカプセルのようなものではない、2. 主観と客観は、時間的スケールに関して区別される、3. 過去の実在論、4. 前進的生成、「記憶力」と「記憶」というポイントを提示する。このあと『創造的進化』(1907年)、『道徳と宗教の二つの源泉』(1932年)へと展開されていくベルクソン哲学の真髄を伝える本書の「決定版」を、今ここにお届けする。

内容説明

フランスを代表する哲学者アンリ・ベルクソン(一八五九‐一九四一年)が残した主著の一つ(一八九六年)。「心身問題」を正面から取り上げ、実在論と観念論の対立の超克を探究する。第一級の研究者が満を持して送り出すこの新訳は、簡にして要を得た「訳者解説」をも収録した文字どおりの「決定版」である。ベルクソンを読むための、新たな出発点。

目次

第1章 表象化のためのイマージュの選別について―身体の役割
第2章 イマージュの再認について―記憶力と脳
第3章 イマージュの残存について―記憶力と精神
第4章 イマージュの限定と固定について―知覚と物質。魂と身体
要約と結論

著者等紹介

ベルクソン,アンリ[ベルクソン,アンリ] [Bergson,Henri]
1859‐1941年。フランスの哲学者

杉山直樹[スギヤマナオキ]
1964年生まれ。現在、学習院大学教授。専門は、フランス哲学(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

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感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

内島菫

20
ベルクソンは、事物に対する実在論と観念論が相撲を取っている土俵が同じである地点まで二元論を詰めていく。同様に、「物質」と「記憶」が被っている虚偽を、空間ではなく時間における行為を梃子にはぎとり、心身二元論的な立場から、「心」と「身」の重なりを時間的な行為において見る。それは、デカルトが心身の結合点と見た松果腺のような脳のある部分でもなく、ライプニッツのような予定調和でもなく、違うからこそ同じになり、同じになるのは違うからこそであるという、常に反転し呑み込みあう動的な二元論のように思える。2021/03/21

しゅん

14
世界には物質と記憶力しかない。ここでの物質は、世界に発生する現象すべてと考えてよいだろう。ただし過去はすべて現在するという立場をベルクソンはとるから、ここでの「記憶力」は通常言われる「覚えておく能力」ではない。むしろ、世界から事象を限定し、未来に行為する力である。つまり記憶力とは身体が行動する力であり、言うなれば「自由」のことである。また、知覚は脳や身体ではなく、物から発生する。主体意識を物からの作用として捉えている。人間の主体性を否定しながら自由を重んじる。この姿勢はスピノザと重なるものがある。2021/01/03

Bartleby

13
観念と実在の二項対立を避けるため、その中間に"イマージュ"という概念を据え、空間ではなく時間(持続)という別の視点を導入する。物質界と人間、ひいては記憶力を切り離さず連続的に語るその手つきにはほれぼれさせられる。しかし論証は当時の科学的知見に基づいてかなり慎重に行われる。それだけに、その曲がり角のむこうにほの見えるベルクソンの形而上学はよりいっそう美しい。本書は現代の科学的な成果とすり合わせていくことで多様な読みができる本だ。今後も、再読、再々読していきたい。2022/10/12

singoito2

10
1896年刊。「二つの源泉」同様、随所で参照される当時の心理学等の知見は、今日的には疑問を抱かざるを得ず、理解の妨げとなっているが、その藪をかき分けていくと、精神と物質、記憶と知覚、非延長と延長、質と量、自由と必然の対立を両者の作用・反作用の場である身体における相互性によって乗り越えようとしています。プルーストはベルクソンを熱心に聴講したようですが、「精神は行為の平面と夢の平面という二つの極限のあいだに含まれる中間段階を休むことなく駆けめぐっている」p249と言う言葉に「失われた時」が圧縮されています。 2023/08/01

ひつじ

8
ベルクソンの中で難解の書と呼ばれてるらしいですが、正直かなり読みやすかったです。翻訳もいいと思います。ベルクソンの文章自体が、文脈ごとに意味合いが変化していくような書き方をするので、定義を決めきって読み進められないところはなかなかにイライラしますが、最後まで読んでしまえばそんなに難しいことは言っていないような気がします。大体の雰囲気では、物質論世界も観念論世界も持続している、地続きなものであるみたいなことになりますねぇ。最終的にはどちらの論も、別々の言葉で呼ぶのはナンセンスになっていきます。2021/06/10

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