出版社内容情報
美しかったり、謎めいていたりする、私の隣の人々。芥川賞作家にして史上最年少の川端賞作家による「これぞ小説」な味わいの6篇。
内容説明
すぐ隣で、ずっと遠くで、耳をすませばきっと聞こえる。芥川賞作家にして史上最年少の川端賞作家がすくいあげる6つの小さな奇跡。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
優希
66
すれ違いが心に刺さりました。日常を送っていてすれ違う忘れられない人たち。その中で揺らぐ感情が切ないながらも綺麗だなと思いました。かすかな心の揺れに共感させられました。2019/07/08
てんちゃん
42
ここ2、3カ月ずっと読みたいと思っていた青山さん。最近は青山さんの作品から離れ、ストーリーに追われるような読書が続いていたのですが、ほんとはこういう静かな作品が好きです。青山さんは、できるだけ出版順に読もうと思ってます。というわけで、まだ初期の作品しか読んでないです。今回も期待通りの雰囲気の短編集。でも、「役立たず」のようなこれまでとは少し違う感じの作品もあり、この先の作品を読むのが、さらに楽しみになりました(^^)2017/01/21
nyanco
40
初出が文學界や文藝…と文学の香り高い短編集。日常が綴られているので、そこに何か大きな出来事を期待しても読者を突き動かすような大きな出来事は起こらない。しかし、日常生活の中で今まで見えていたものが、ほんの小さな出来事やちょっとしたきっかけで、全く違うものに変わる瞬間の描き方はやはりお上手。『役立たず』のラストが非常に面白い。この女は実に嫌な女だが… 四六判変型のお洒落な本、敢えてカバーをしないでカフェで読書していたらイイ女に見えそうです。2010/10/21
さゆ
36
ああ、いいもの読ませていただいた、というのが読み終えたばかりの今の感想。なにか特別な事件が起こるわけでもなく、誰かが死ぬこともなく、ただただ、淡々と静かに、誰かの日常が切り取られているような短編集。それでいて、怖かったり、哀しかったり、そして寂しかったり。すごい小説家だなと思った。2010/11/01
りえこ
33
長編かと思って読んだら短編集でした。色々な作品があって面白かった。2014/08/04