出版社内容情報
地権者の入り組んだ土地買収、弟の誘拐事件。その交渉はなぜ成功したのか? 二十年にわたる実践と研究による授業を書籍化。
著者のマイケル・ウィーラー教授は、二十年以上にわたりハーバードビジネススクールで研究を続けてきた、交渉術の専門家です。本書では、同校でウィーラー教授が世界中の経営者や官僚、企業幹部たちに向けて行っている交渉術の講義を、たっぷりと味わうことができます。
その交渉術の一番の特徴は、「交渉は動的な過程である」という前提に立っていること。
実は、「ウィンウィン理論」を含むこれまでの交渉理論には、ある限界がありました。それは、そうした理論は双方の利害や目的、そして交渉が決裂した場合の次善策などが「静的」、すなわち変わることがないと考えていたことです。
しかし、実際の交渉においては、互いの利害はもちろん、状況やパイの大きさまでもが目まぐるしく変化します。そのため、今までの交渉理論は現実の交渉に対応できていなかった、とウィーラー教授は語ります。
そこで、ウィーラー教授が生み出したのが、「状況の流動性を味方につけ、創造的な合意を勝ち取る」交渉術。本書では、その極意が豊富な実例と実験結果をもとに解説されます。
例えば、1400ページを超える原稿をめぐった、出版社と作家との交渉。――出版社は原稿を大幅に削ってほしいが、作家は1ページも削りたくない。一見、解決策がないように思われるこうした交渉でも、ウィーラー教授の交渉術を使えば、両者の利益を満たす創造的な合意を勝ちとることができるのです!
他にも、地権者の入り組んだ土地買収を成功させた若き不動産営業マン、少ない予算で映画『オーシャンズ11』を実現させた映画プロデューサー、さらには誘拐された弟を犯人から取り戻した著者の教え子など、様々な交渉人からそのテクニックを学べます。
これまでに、数千人にものぼる世界中のエリートたちが受講した人気講義!
あなたの交渉を変える刺激的な一冊です!
内容説明
大物作家から持ち込まれた原稿は、一四〇〇ページを超えていた。出版社は、「これでは長すぎる」と言い作家は「原稿は削れない」と言う―。交渉は決裂し、原稿はお蔵入りに。決裂した交渉をひきとり、ベストセラーを二つ出すことになったノートン社の「創造的枠組み転換」とは?北アイルランドの和平交渉から、教え子の誘拐事件まで、二〇年以上、実際の交渉の研究を続けてきた著者が初めて明かす交渉のABC。
目次
第1部 基礎編(そもそも交渉が必要か?;『オーシャンズ11』にみる交渉の三角形;ニューヨークの大地上げに学ぶ)
第2部 変化する現場で(一流の交渉人は「二面性」を兼ね備える;アドリブの極意;危機的状況をどう脱するか?)
第3部 各段階のテクニック(開始;重大局面;締めくくり方)
第4部 上級編(創造力による枠組み転換;追求者と満足者;交渉に正義はあるか?)
著者等紹介
ウィーラー,マイケル[ウィーラー,マイケル] [Wheeler,Michael]
ハーバードビジネススクール教授。ハーバードビジネススクールで93年から交渉術の講義を持つ。マサチューセッツ工科大学(MIT)で実際の紛争や争議を研究するチームに、ハーバード大学、MIT、タフツ大学による、大学を超えた交渉学プログラム(PON)に参加。ハーバードビジネススクール・グリーンヒル賞を受賞。あらゆる企業や政府、組織に対して、交渉や紛争解決の手段を指導するNPO「The Consensus Building Institute」の共同代表も務める。2014年9月よりハーバードビジネススクール・シニアフェローに就任
土方奈美[ヒジカタナミ]
翻訳家。慶應義塾大学文学部卒業。1995年日本経済新聞社入社。記者として活躍の後、2008年からフリーに。2012年5月、米モントレー国際大学院から翻訳修士号取得(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
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