出版社内容情報
街を行き交う一見普通の人々。実は彼らには事情があるのです。日常の風景に潜む不条理を描く、読むエッシャー。
内容説明
カフェで、ファストフードで、教室で、ケアホームで、一見普通の人物が語りはじめる不可思議な物語。一卵性双生児、夢の暗示、記憶の改竄、自殺志願者など、ちりばめられた不穏なモチーフが導く衝撃の結末。読んでいるうちに物語に取り込まれ、世界は曖昧で確かなことなど何もないと気づかされる戦慄の九篇。
著者等紹介
長野まゆみ[ナガノマユミ]
東京都生まれ。1988年に『少年アリス』で第25回文藝賞を受賞。2015年には『冥途あり』で第43回泉鏡花文学賞と第68回野間文芸賞をW受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
夢追人009
305
ファンタジー小説の名手・長野まゆみさんが2013年に刊行された珍しいどんでん返し9連発のミステリー短編集ですよ。本書収録の9編のタイトルは「11:55」「45°」「/Y」「●」「+-」「W.C.」「2°」「×」「P.」と全てが記号尽くしになっており、とても凝っていますね。内容的には謎解きというよりも奇譚物語と言ってよく最後に作者の周到に秘めた企みが明らかになるのですね。そうですね、全てが鮮やかとは言えず一編の中で途中を飛ばしてもいい様な単調な話もありますが気持ちに余裕がある時に読むと楽しめると思いますよ。2022/03/01
こーた
261
無駄のない文章で精緻に組み上げられた小説の世界が、最後ぐわんと反転する。え、え?自分がどこにいるんだかわからなくなって、数頁戻って読み返すと、その不可解さに気づいていっそう頭がクラクラする。いつのまにか本物の世界まで反転してしまったのでは、そんな錯覚に陥り、自身の足元まで揺らぐ。奇妙な違和。それはホラーともちがう。ミステリは謎が解かれなければ純文学になる、というはなしをいつか聞いたことがあるが、そのことばはここに収められた九篇にこそ当てはまる。もっと何度でも騙されたい。読むエッシャーとは言い得て妙だ。2020/05/17
papako
64
耽美な少年の表紙が多い気がする作者、気になっていたけど何を読むか悩んでこちら。何?私は何を読んだんだ?数字や記号のタイトルの短編たち。え?何?あれ?誰?どうなった?あれれ?そんな読書でした。すごく楽しかった。『11:55』は解説でやっとわかりました。『45°』現代劇のよう。『/Y』『●』結局?『+-』これはなかなか。『W.C.』わかるわかる!トイレ探す夢、めっちゃ見ます。『2°』これは混乱した!混乱したけど、好き。『×』結局?年下の旦那、若さの秘訣かぁ。『P.』一番、最後のオチに驚いた。どれも良かった!2021/03/20
ぽろん
34
短編集。どの話も虚と実が混ざり合い、何が本当なのか、読み終わっても、はてなマークが点滅。それを狙ってる⁈ハマる人はハマるのかも⁈2019/09/16
エドワード
30
長野まゆみさんの魔術に翻弄されまくりだ。小説ならではの卓越した技法で、死者と生者、男と女、現在と過去が反転し、入れ替わる。まるでエッシャーだ。懐かしきアドバルーン。浮揚員という職業を初めて知った。風水インテリアコーディネイター、葬儀プロデュース会社、あやしい職業が続々登場する。星野降里の旧宅は、果たして7LDKの豪邸だったのか?「千ひく一」は、算数なら九九九だ。じゃあ、なぞなぞなら?読み終えて、「あ、そういうこと?」となる九つのここだけの話。遊園地でフラフラになった気分だ。小説とは、妄想の産物なのだね。2022/10/23
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