内容説明
子育ては、人生の一大事業であり、社会にとっても重要なことがらです。しかし、「我が子を大切に育てるために、どうするのが最善なのだろう」と悩んだ末に、ネットや口コミで流れる怪しげな情報にすがり「よかれと思って」それを推進すると、結果的に子どもたちを不幸にしてしまいます。親、そしてすべての大人たちに必要なものは、根拠のない情報を鵜呑みにしない「知の防壁」、つまり「正しい知識」と「論理的思考能力」です。本書では、各分野の専門家たちが育児・医学・食・教育などの分野にわたり世に流布するデマを論理的に糺し、正しい知識を提供します。本書を座右に、子どもたちを守るためのスキルを身につけていきましょう。
目次
第1章 育児(自然分娩が一番いいの?;母乳じゃないとダメ? ほか)
第2章 医学(薬は飲ませないほうがいい?;ワクチンは毒だと聞きました ほか)
第3章 食(砂糖や牛乳はよくないの?;玄米菜食が一番いいって本当? ほか)
第4章 教育(「誕生学」でいのちの大切さがわかる?;「2分の1成人式」は素晴らしい? ほか)
番外編(放射能って大丈夫なの?;「EM」って環境にも体にもいい?)
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
くさてる
18
分かりやすく読みやすい、専門家によるバランスの取れた内容の本でした。冷静に丁寧に書かれているものの、ここで取り上げられている事物の多くが結果的に子供や親を傷つけるものであることへの、静かな怒りが感じられます。とくに、誕生学や反ワクチン、食品添加物への批判についてなどが読み応えありました。耳障りのいい言葉、ぱっと見にはなにか良さそうに思えることの奥に潜んでいるものに敏感でありたいなと思いました、2019/08/10
鳩羽
13
子どもに関する育児、医学、食、教育の事柄について、どういう選択をすべきなのかの論理的思考について、専門家が分かりやすく簡潔に述べた本。母乳育児やワクチンのようなメリット、デメリットを比較していかなければならないものから、江戸しぐさや二分の一成人式のような最近流行りだした精神論のようなものまで、「子ども」という他者を育てているからこそ、厳格に情報を計らなければと思う。ただ、「子ども」のことだからこそ、不確かな情報に左右されやすくもなるとも言える。子育てに関わる人や組織が、社会に開けていることが大事だと思う。2019/04/02
ここ
8
各界の専門家たちが子供たちや彼らの周囲にあるその分野でのデマ等について、平易・論理的に、リテラシーを持ちましょうと呼びかけ説明している好著。そう思ったのはデマを広めている側に対しても「Aの部分については正しいけれども、そのAを拡大解釈その他してBという風に、科学的根拠や証明もないのに謳っているのが駄目」と、相手の批判だけをするのではなく、「きちんと読者に対して物事を理解してもらおう」とする姿勢がみられるのが何より信頼できる。食品添加物の項目もあるので興味を持った方は手に取って読んでみてもいいかもです。2022/10/30
まーまー
5
図書館より。 「江戸しぐさ」やEM菌、2分の1成人式も初めて聞いた言葉。小学生くらいのお子さんの親なら知ってるのかな?玄米がいい、白い米、砂糖は良くないって話は聞いてたけど、三温糖が色をつけただけって知らなかった~(笑)母乳育児は大切、ってタイトルはどこでも聞いてたけど、理由を細かく書いてあるのが良かったし、食品添加物もしかり。頭ごなしに「ダメなもの」って思ってた。 情報を鵜呑みにしてたらダメだな、と感じる一冊。「これって本当?」と問う姿勢、知識、考える力が今後、生きていくには必要だな。2020/06/11
窓
4
ネットで馴染みのあるお名前の皆様による共著。子どもをもつとよかれと思っていろんな人(よく知らない他人からでさえも)にさまざまなことを言われがちであるし、あるいは自分や配偶者の経験や思い込みで的外れなものを選択してしまうこともあるわけで。何事も正しい知識をもち根拠のある情報を選びとること、デマに踊らされないことを考える良き一冊だと思った。2021/10/12