出版社内容情報
2018年度の日本写真協会賞新人賞を受賞し、現在最も旬な自然写真家、佐藤岳彦氏のファースト写真集! 「われわれ生命は何者なのか」
アマゾンから東京、粘菌からゾウまで、
蛇の眼で見つめた生命の記憶。
2018年度の日本写真協会賞新人賞を受賞し、現在最も旬な写真家、佐藤岳彦氏のファースト写真集!
まるで蛇のようなロシアのタイガを蛇行する河、夜の灯りに集まるシロアリを食べる少年、密林にひそむアジアゾウ、オサムシの死骸から生えるキノコなど、さまざまな地域のさまざまな生き物の知られざる姿が、独特の視点で切り取られ、詩情あふれる文章とともに編まれた写真集です。
佐藤 岳彦[サトウ タケヒコ]
著・文・その他/写真
内容説明
「われわれ生命は何者なのか」アマゾンから東京、粘菌からアジアゾウまで、写真家の「眼」がとらえた世界―。
著者等紹介
佐藤岳彦[サトウタケヒコ]
1983年、宮城県生まれ。大学院(森林動物学)中退後、写真家の道へ。2018年、日本写真協会賞新人賞受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
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榊原 香織
59
地衣類好きにはお勧め。蛇、昆虫嫌いには要注意。 スカイブルーの虫、ジーと見ていたら、体の曲線や触覚にイヤ~な見覚えが・・解説読んだらやっぱり××××。 しまった見つめるんじゃなかった2021/12/26
たまきら
27
学校で興味を引く物の絵を描くと「写生をしなさい」と叱られたことを、表紙を見ただけで思い出した。当時は名前も知らなかった粘菌のパターンに魅せられ、何時間でも林の中で座っていられる子供だった。あの頃「これは粘菌と言うんだよ」と教えてくれる大人がいたら、自分はアートではなく科学に向かったのではないか、と時々思う。すべての写真が自分の好きなものでニヤリ。そして「絶対好きだと思った」と私のために本を持ってきて悦に入る夫に胸キュン。2018/12/29
Koki Miyachi
4
「蛇の眼で見つめた生命の記憶」というサブタイトルがついている。動物の視点に立って、世界の不思議な生命を追う。生き物と極めて近接した距離感で対峙している写真にも関わらず、美しい瞬間を見事に切り取っている。一枚の写真を撮影するために費やした膨大な時間と労力、何としても実現しようとする情熱に頭が下がる。こんな素晴らしい写真を一体どうやって撮影したのか、その舞台裏を知りたくなってしまう。2022/01/14
ふくろう
4
生き物の写真で写真家の思想や世界観を表現したすごい写真集。昆虫写真家とか動物写真家の多くは、被写体に出会えた喜びをそのまま写真に変換してしまうので美しい被写体の写真ばかりがならんでしまい、撮影者の思想が伝わりにくい。しかしこの写真集では、生態系の中で繰り広げられる妖しげな生と死の営みが生々しく活写されている。とてもよかった。2019/01/12
ikeikeikea
3
「蛇の目で見つめた生命の記録」をテーマにした写真集 ここで言う生命には菌類から哺乳類まで含んでいるので非常に幅が広い。個々の写真の解説は最終ページにまとめて行っているので、「この生命は何で、ここは地球のどこなのか?」と考えながら読む事ができる。「アマゾンには変な生き物がいるな」と思った写真が、日本で撮られた写真だったのには笑ってしまった。私は日本の生命すらしっかり観察できていなかったのだ。私はこの本の著者のような他者の視点を通してしか、生命に気づく事はできないのかも知れない。2021/05/15