出版社内容情報
呉越の最終決戦がついに始まる――。それは呉の巨人・伍子胥と、越の天才・范蠡の知の対決でもあった。10年に及ぶ連載が遂に完結。呉越の最終決戦がついに始まる――。それは呉の巨人・伍子胥と、越の天才・范蠡の知の対決でもあった。10年に及ぶ連載が遂に完結。
宮城谷 昌光[ミヤギタニ マサミツ]
著・文・その他
内容説明
越王・句践が囚われの身となって二年余。その間、范蠡は越国で王がいつ帰ってもよいように準備を整えていた。呉が陳を攻めていることを知った諸稽郢は、呉王・夫差を見舞う使者を出すべしとの提言を受け、范蠡とともに呉へ向かう。すると夫差より思いもかけぬことを范蠡らは命じられる―呉へそのままとどまれというのだ。王が帰ってきた際に万全の体制を整えるべく、秘密裡に楚と外交していたことが露顕したのかと肝を冷やした范蠡らだったが、彼らの拘束のかわりに句践を解放するという。夫差の思惑は、いったい何なのか。呉の伍子胥は、そして越の范蠡の運命はどうなるのか。第九巻堂々の完結!
著者等紹介
宮城谷昌光[ミヤギタニマサミツ]
1945年愛知県蒲郡市生まれ。『天空の舟』で新田次郎文学賞、『夏姫春秋』で直木賞、『重耳』で芸術選奨文部大臣賞、『子産』で吉川英治文学賞、『劉邦』で毎日芸術賞をそれぞれ受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
遥かなる想い
158
呉越春秋 最終巻である。 臥薪嘗胆という言葉で名高い この争いが 現代に華麗に蘇る。 呉王夫差への復讐の準備が整い、 越王 句践が立つ。老いた 呉の伍子胥の 最後の諫止もむなしく、呉は滅亡の道をたどる。 呉王夫差の最期は哀しいが… 范蠡と西施の再会が 物語に華を添える、 そんな終わり方だった。2018/12/09
巨峰
72
呉の興隆から越との数度の決戦による滅亡まで。伍子胥と范蠡の視線から描く。でも范蠡だけがえらかったわけじゃないのが9巻でよくわかる。一気読みできてよかった。ずっとタイミングを計ってたんだ。脇役の人が多すぎて、そんな人いたっけが何度もあったのが残念といえば残念。2019/11/17
紫陽花
39
全第九巻読了。越が呉に牙を向いてから最終的に下すまで結構年月が経っているんですね。用意周到に準備していたことが分かりました。楚、呉、越という国の栄枯盛衰。子西、伍子胥、范蠡、諸稽郢といった逸材の活躍と転落。読みやすくて、一気に読むことができました。ただ、最後の伍子胥の自殺、范蠡の出奔といった場面が他のところに比べて、ちょっと駆け足で描かれているような気がしました。この場面、もっと知りたいと思いました。2021/07/19
星落秋風五丈原
37
湖底の城とは伍子胥に絡む話かと思っていたら范蠡の話になりました。西施との不思議な縁はオリジナルですね。臣下と君主が運命の出会いをして苦難を乗り越え勝利を手にする物語は読んでいて幸せになれるがすれ違って悲劇に終わる物語も忘れがたい。お気に入り 孟夏の太陽 でも君主とすれ違う臣下パターンが登場するが、こうしたすれ違いの方が多数を占めるから2018/10/15
まえぞう
30
終わってしまいました。宮城谷さんは、物語の終盤になると進みが早くなる傾向にありますが、ここまでとは予想できませんでした。伍子胥の死や范蠡の後日談なんかはもっと書こうと思えば書けたはずで、やはり小説現代の休刊がひびいているように思います。2018/10/26