出版社内容情報
澪子はバツイチのアラフォー。陰々滅々と暮らしていたある日、姉の突然の来訪により、10年ぶりに実家に戻って家族と住むことになる澪子は41歳、バツイチ。"人並み”の幸せを夢見ていただけなのに、もろく崩れる。家財道具は旦那に持っていかれ、お金もない。そんな中、姉の香波が金の無心にやってくる。香波は澪子の状況を知り、久しぶりに実家で暮らすことを提案する。そして10年ぶりに母親が一人で住む家に戻ったのはいいのだが、娘たちの出戻りを笑い飛ばす始末。がさつな母に傷つく澪子。そしてある日、家で怪しい人影を発見するのだが?!
まさき としか[マサキ トシカ]
著・文・その他
内容説明
守銭奴の母親。売れっ子イラストレータを自負する姉。そして、超マイナス思考の妹―個性的な玉瀬家の面々が30年ぶりに一つ屋根の下で暮らすことに。果たしてどんな騒動が起きるのか!?新しい家族小説の傑作誕生!
著者等紹介
まさきとしか[マサキトシカ]
1965年東京都生まれ。北海道育ち。1994年「パーティーしようよ」が第28回北海道新聞文学賞で佳作に選ばれる。2007年「散る咲く巡る」で第41回北海道新聞文学賞(創作・評論部門)を受賞。2008年『夜の空の星の』で作家としてデビュー(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
いつでも母さん
167
「家族だからつながってるような気になってるけどさ、別々の人間だからね。血がつながってるからって、頭んなかがつながってるわけじゃないからね」これはこの玉瀬家・母の言葉だ。自分の人生を考えさせられましたよ・・今回のまさきとしかさん。ちょっと不思議な家族の話。いい歳をした出戻り娘二人とひきこもり?の息子が出たはずの実家で暮らす顛末。母は逞しい。こんな家族小説もあるんだなぁ。まさきとしか、こう来ましたかの感じ。ん~ん、侮れないなぁ。2018/09/13
モルク
101
かつて読んだまさきとしか作品とは異なる作風(私がただ読んでないだけかもしれないが)。北海道右上で離婚後自堕落な生活を送る41才の澪子のもとを東京から姉が訪れ、実家で一緒に暮らすために札幌に戻る。。そこには70を越えても強烈な個性を放つ母とともに、ずっと行方不明となっていた引きこもりの兄がいた。陰キャラの澪子をはじめ、なぜにここまでという個性の塊が揃った一家。普通の人がひとりもおらず…。一緒に生活するうちに少しずつ変化が…家族といえども所詮は他人という母の思考、そして兄ノーリーのキャラがとてもいい。2024/01/31
ででんでん
93
引きこもり?の兄ノーリー47歳。パニック障害で働けなくなった姉、香波46歳。離婚した妹、澪子41歳。3人の子ども全員が戻ってきた実家…そこには独特な母72歳がいた。まずこの母がいい。「空気は読むものじゃなく吸うものだ」そのとおり❗家族が嫌いで、子どもの頃から家を出たいと思っていた澪子だが、「家族だからつながってるような気になってるけどさ、別々の人間だからね」という母に、家族が好きではなかったと初めて伝えることができ、変われる予感が…。バカボンのパパのようなノーリーの存在感が半端ない❗心地よい作品だった。2018/11/10
野のこ
74
初読み作家さん。人生設計では中3と小6の子がいるはずなのに子はなく夫は家を出て離婚なった澪子、しかも出戻った実家にはバツ2の姉と引きこもりの兄と母との暮らしが待っていた。しかもしかもみんな強烈なキャラクターでいろんな面で破壊力が!!近寄りがたいと思ってたのに時折ぐっとくる言葉があって徐々に見方が変わりました。澪子の気持ちに光がさす様子にもほっとした。なんて言うか私も澪子みたいにならなくもないので(汗)大丈夫!と信じつつ、その後が気になるので続編希望です。2018/10/02
papako
68
たまたまセールで見かけて気になって。うわぁー、私だよ、澪子も香波も。自分ばっかり不幸な顔して、何もない、やりたいことも夢も仕事もなんもない私だよ。そして『くっそー』って言ってるところも同じだー。母親を同族嫌悪してるところも!やだな。結局うまくいくんでしょ?と読んでいたら、なんか放り出された感じだけど、これは嫌じゃない。ちょっと自分も生きてていいかもって思わせてくれました。玉瀬母の『家族なんてしょせん他人。血がつながってるからって、頭ん中がつながってるわけじゃない』名言だ。うん、読めて良かった。2019/06/19