水木しげる漫画大全集 〈092〉 方丈記/水木しげるの泉鏡花伝

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水木しげる漫画大全集 〈092〉 方丈記/水木しげるの泉鏡花伝

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  • サイズ コミック判/ページ数 524p/高さ 21cm
  • 商品コード 9784063775983
  • NDC分類 726.1
  • Cコード C9979

出版社内容情報



水木 しげる[ミズキ シゲル]
著・文・その他

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

厩戸皇子そっくりおじさん・寺

91
『方丈記』は以前読んだので、未読だった『水木しげるの泉鏡花伝』のみ読む。高名だがよく知らなかった人物の伝記だからやはり面白い。鏡花17歳の時に師匠・尾崎紅葉24歳。平均寿命の短い時代特有の若い師弟である。樋口一葉が鏡花に親切。昭和まで生きて芥川龍之介より後に死んだのは意外。谷崎潤一郎の子の媒酌人も務めている。孤高なイメージの割に案外文壇の人である。しかしその人生は好感の持てるものだ。合間に『黒猫』『高野聖』の漫画化が挟まれる。これが気色悪いが、前近代の尻尾があって興味深い。亡母の草双紙の優しい影響である。2018/06/12

たまきら

32
方丈記はのんびりとした紀行物のような雰囲気でしたが、泉鏡花伝はみっちりと調べられたうえで構成されていて、水木先生の情熱が伝わってきました。泉鏡花の小説はなぜか性に合わず、有名なもの以外あまり読んだことがないのですが(天守物語も仕事でなければ読まなかったかも)、自分の中や暗闇に目を凝らすような線の細い世界を水木先生が描くとすんなり読めて不思議不思議。最後の解説が山岸涼子さんで、こちらもこの本とよくあっていて編集者さんすごいなあ…と。面白かったです。2021/01/07

ぐうぐう

27
『方丈記』と『泉鏡花伝』を収録。いずれも、水木ならではの仕掛けが施されている。『方丈記』は作者である鴨長明の伝記が、『泉鏡花伝』には鏡花作の「黒猫」と「高野聖」のコミカライズが、それぞれ挿入されているのだ。特に『泉鏡花伝』は、以前に『神秘家列伝』で取り上げたこともあって、とても思い入れたっぷりに描かれている。作家デビューしたものの、評論家からは観念小説と批判される中、樋口一葉だけが鏡花の作品を褒めている。そんな縁もあって、鏡花は病床の一葉を見舞っているのだ。そうだったのか。2018/03/20

ねこさん

22
「戦争の記憶」や「災害の悲惨」の言葉を自らの語彙で受け取れず、ただ逡巡す。遠ざけられた死を拈提するだけの身上、体験者のリアリティに敵う訳も無く。平安末期から鎌倉時代の災害の多さは現代に近いらしいが、私腹ばかりを肥やす時の為政者の振舞いも似るとの由、何をか言わんや。人は緊張や苦痛への耐性として慣れを得るが、あらゆる事象が例外なく無常と捉える身体感覚もまた同様、長明が如く生来備わるものであって欲しい。本の水にあらずともとゞまることなき流れは同じ。泡沫の一つ一つも見分けつかず露草なぞ愛でるこの頃であったりする。2022/09/22

剛腕伝説

15
【方丈記】はつい最近読んだばかり。【泉鏡花】は婦系図で有名な泉鏡花の生涯を漫画にしたもの。作中、鏡花作品の「黒猫」、「高野聖」の漫画版がありとても楽しかった。水木しげるの手による泉鏡花の作品は独特の世界観であった。 高野聖や黒猫の様な、怪奇趣味作品が多かったので水木しげるの琴線に触れたんだろうな。なかなか良い漫画でした。2021/05/21

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