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出版社内容情報
水木 しげる[ミズキ シゲル]
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ぐうぐう
29
水木しげるは、多くの自伝漫画を発表してきたが、自身のルーツに言及したものは、この『水木しげるの異界旅行記』が初めてだ。隠岐や出雲を実際に取材し、それをエッセイふうに描きながら、時空を超えて戦国時代や古代に水木自身がタイムスリップしてしまうという展開だ。ユニークなのは「南方編」として、戦地として訪れたニューギニアでの出来事を綴っている点だ。南方での思い出が、水木しげるにとって大切な記憶になっていて、その後の水木の人間形成に大きな影響を与えたという意味では、まさしくルーツと呼ぶにふさわしいのだろう。2017/12/15
軍縮地球市民shinshin
7
担当編集者が紹介したエピソードが面白い。「編集者ってのは馬鹿が三割混ざっているからあんたも大変でしょう」「そういう馬鹿に限って仕事をしたような気になっているんだな」「出版社も馬鹿を食わせにゃなんないから大変だ」水木翁の言葉はいちいち胸に突き刺さる(笑)まったく面白い。本書の内容は古代出雲族の霊の導きで執筆した古代出雲王朝史。ヤマトに敵対したオオクニヌシの一族のことをと中心に描かれている。2018/01/27
Fumitaka
1
生まれ故郷の境港に加え、冥界の入り口と伝えられる猪目洞窟(p. 135、p. 486)なども描かれ、武良茂氏の郷土愛に満ちた連作。「死は朗らかなものとして考えた方が良いと思っている」一方「死んだら何もないというのがホントかもしれんなあ」(p. 198)と晩年の作家の死生観の変化も窺わせる。劇中で武良茂氏の兄が乃木希典に無能という評価を下しており、自分はその観点を『レッドサン・ブラッククロス』で初めて見たがこの辺に関してはよく知らないので「その評価はまたの機会にゆずるとしよう」(p. 108)。2024/11/12