感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
getsuki
8
新装版購入にて再読。偉大すぎる母、光明子の存在が阿倍にのしかかっていく。仲麻呂との関係に溺れていくが、仲麻呂との温度差は広がるばかり。気づかない振りをしていても不安ばかりが襲いかかる。安倍の心の揺れがせつない。2015/05/29
荒野の狼
6
第3巻では阿倍は即位し孝謙女帝となり、父聖武天皇が運命や仏の御心などに天皇になった意味(彼の場合は大仏建立)を見ているのに対し、「天皇としてすべきことは運命ではなく自分の意志でみつけるものp143」とし、精神的な高さをみせる。政治的には藤原仲麻呂と母・光明皇后が実権を握っており、父・聖武天皇は崩御し、阿倍はいずれ死ぬのに生まれてくる意味に疑問を感じるp171。2021/06/18
餅屋
2
里中歴史ロマン、阿倍内親王の三冊目▲天皇として即位した女帝の華麗なる生涯がはじまろうとしていた…▼表紙に騙されいた?齢32歳で即位しました。光明皇太后ご威光の新組織「紫微中台」で紫微令として仲麻呂が台頭します。一方、真備は、賜姓吉備と成りましたが左遷、ついには遣唐追加副使に…。鑑真和上をお連れしたのは、もうひとりの副使である大伴古麻呂でした。ここでちらりと井上内親王と白壁王が登場。橘諸兄が失脚し、聖武太上天皇の崩御で、やはり皇太子問題となるのでした。歪な藤原王朝の真価が試される時が迫りつつ…(1992年)2023/08/22