出版社内容情報
できることが一つでもある限り僕はここでは諦めねぇんですよ「最果てアーケード「さらば、やさしいゆうづる」の有永イネの宮大工物語
超・大規模な仕事を任され、そこにケヤキの神・ニキの木を使おうと決めた。
がしかし、それには大きな穴があり、何にも使えない木と判明する…!
みつきは競りで木の神に騙され、光重朗は独りよがりな図面を描く。
『ごちゃごちゃ言うなら 消えてくれ』
木の神々たちが見えなくなった兄弟は…? そして姿を消したニキは?
珠玉の短編集「さらば、やさしいゆうづる」の有永イネが紡いだ宮大工青春物語、ついに最終巻。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
しましまこ
11
完結、早くないか?おっさんになった二人を見たかったよ。2016/04/17
相楽(twitter:sagara1)
7
全三巻まとめ読み。主要登場人物同じで時系列も順に繋がっているんだけど、巻毎に雰囲気をガラリと変える、すっごい作品。各話題名もはっきり巻によって異なるイメージで揃えている。なぜか『さらば、やさしいゆうづる』収録作品よりどこか視線誘導やコマ間の連動等にぎこちない感じを受けるけど、それがメインとなる兄弟のキャラクターにも合っていて、むしろ、楽しい。岩明均『風子のいる店』のように、作者の技術や心情の揺れが作品の味になる、その時期にしか書けない作品ってあるのでは。あと、なんといっても「けやきんっ☆」が可愛すぎた。2014/06/19
いっぽし
4
いよいよ完結。光重朗のお母さんの再登場があったのがなにより嬉しかったです。ニキが飲み込んだ問いかけの答えは、ご神木の神様の言葉にあるのでしょうね。読み終わった後なんだか神社や森林公園に行きたくなりました。ぽっかり空いた空洞に「悲しみ」を詰め込んで、 光の方向へ枝を伸ばして生きていきたい。2014/01/12
こうよし
3
ただのんきなだけじゃなくて、きちんと考えるようになった最終巻。2014/02/10
はな
3
神たちにもそれぞれの個性があり事情がある。信じること、裏切られること、それらに直面しながらも少しずつ時間が経過して、やがてみつきと光重朗にも和解が訪れる。樹の神たちが伝えたがっていることを聴きとり、古い寺の復元という作業を通じて、また新しいいのちを吹き込んでいく。最低の姿はそうなりたがっているようでいて、そうではない。光へ向かう最終巻。ニキをどうするんだ?!がいい感じに落ち着いてよかった。2014/02/02