感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
がんぞ
2
回顧で右足を犠牲にしたアーサーの依頼で‥。IRAの休戦を認めない過激派がいて‥実際、現地取材では「窓際の席は爆破に巻き込まれる危険がある」という雰囲気とか。侵略を肯定しない者には「平和」は「抑圧された秩序」にすぎない。復讐が何世代も後まで継続されるのか、埋め込まれた《草》が脅迫され、テロ要員となる。電子機器の発達はもっぱら軍事利用に用いられた。(イスラムなどと差別化するためかも知れない)。しかしアイルランドという先進国型テロリストが有能すぎ、爆破される恐れがあればガソリン車でなくディーゼル車にすると思う。2016/04/30
bookish
2
「僕は交渉人です。人の心を売り買いするつもりはありません」イギリスにとっての最大の損害は名誉の失墜」「目的がとげられるなら流血は最小限にとどめるべきです」「たとえ危険を伴っても相手の信頼を得なくては交渉になりません」「手段が信じられないのに結果をしんじろといいのですかすれすれの勝負 真実をつかむにはまず近づくこと、それがジャーナリズムの第一歩。歴史とは人間が流した血の川だ。正義や真理などその河につけられた呼び名にすぎん。2010/05/02
JACK
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☆ 因縁のある男、アーサーからの手紙を受け、U.K.を訪れた勇午。アイルランド独立を目指す武装集団IRAがEU外相会議の爆破予告を出したのだ。勇午はIRAとの交渉に駆り出される。IRA、イギリス軍、保険組合ロイズと、様々な組織の思惑が交叉するU.K.で外相会議は開催出来るのか。「我々はイギリスと戦うためにヒットラーとも手を握った。全世界を敵に回そうと知ったこっちゃない。狂気しか正義を実現できないなら、我々は迷わず狂気を選ぶ」のセリフにはゾッとする。終わり方もテロの連鎖を思わせる後味の悪いものだった。2012/03/15
よきし
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再読:苦い思い出のある戦友との再会は次なる依頼。イギリスで行われるEU外相会議はIRAのテロの標的として警告をされるが・・・。パリ編とはまた異なる形のテロの連鎖のカタチ。2011/12/30