出版社内容情報
早坂 吝[ハヤサカ ヤブサカ]
著・文・その他
内容説明
アウトドアが趣味の公務員・沖らは、仮面の男・黒沼が所有する孤島での、夏休み恒例のオフ会へ。赤毛の女子高生が初参加するなか、孤島に着いた翌日、メンバーの二人が失踪、続いて殺人事件が。さらには意図不明の密室が連続し…。果たして犯人は?そしてこの作品のタイトルとは?第50回メフィスト賞受賞作。
著者等紹介
早坂吝[ハヤサカヤブサカ]
1988年、大阪府生まれ。京都大学文学部卒業。京都大学推理小説研究会出身。2014年に『○○○○○○○○殺人事件』で第50回メフィスト賞を受賞し、デビュー。同作で「ミステリが読みたい!2015年版」(早川書房)新人賞を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
そる
378
色々凝っていて、「ミステリー好きじゃなきゃダメだよ」というような、からかい気味の上から目線が感じられちょっと鼻につくし、まさかの設定にミスリードされ、いや上手く隠され、ぶっ飛びな一文に、思わず本を投げてしまった(笑)。とはいえ一気読みだったし、キャラも良かった。いやしかし、バカバカしかったな〜。あの一文でシリアスさ全くなくなった(笑)。「確かことわざのタイトルを当てろとか言ってたな。(略)真面目に考える気も起きない。さて、あと少しだし、一気に読んでしまうか。どんな駄作でも一応最期まで読むのが信条なので。」2021/01/16
夢追人009
363
早坂吝(やぶさか)という人を食った筆名の著者のデビュー作ですね。本書の売りは、犯人当てミステリー+〇〇(平仮名で13文字)の本書の内容にふさわしいことわざを読者に当てさせる画期的な試みですね。まあ著者は途中で読者にだけ顔を出したり、小笠原諸島の実際にはない又従兄弟島を出したり、素人女名探偵・上木らいち(18?)と書いてヒントをくれたりと、これでもかとばかりに本格ミステリファンに向けてマニアックな仕掛けの遊び心が満載ですね。本書の課題、犯人の正体と諺2つに対し私は諺の1つ目は駄目でしたが残りは正解でしたよ。2022/08/27
nobby
174
何だこれ!?「んなモン分かるかボケッ!」というか分かりたくもないわ…〇〇〇〇〇〇〇〇のタイトル当てに気合い十分で読んで、針と糸の密室に神の視点にダイイングメッセージなんてワクワクもさせられただけに明かされた真相には呆然と失笑のみ…別にカマトトぶる気もないけど、僕は読みたくはないな…あまり感想もないから自分のマヌケなタイトル予想をここに。ターミナルで発見された死体の一点の違和感に加えて赤毛から連想する犯人ふまえて“サノヴァウィッチ”でどうだ(笑)“メフィスト賞受賞”ひらがな13文字ながら、ことわざじゃない…2020/08/17
Aya Murakami
167
平成ベストミステリーズ対象本 カフカの城について触れられていましたが、有栖川有栖さんの女王国の城でも城に触れられていたのを思い出しました。城って変身の影に隠れている感じですが結構有名なのですね。そして架空の作品の島と一音違いという。本書の中では現実のものである島舞台のクローズドサークルミステリーでした。2019/10/05
hit4papa
148
孤島に集った人々、そこで発生した殺人事件、犯人は?方法は?そして動機は?本作品は、クローズドサークルものの本格ミステリ…というかバカミス…というかパロディ…。主人公の唐突なキャラ変、死体のない密室、タイトルの伏字など、他に類を見ない謎解きを楽しめはします。探偵役は、これまた一風変わった(?)経歴の持ち主(◯◯探偵というフレーズは衝撃的)。タイトルの意味はラストに判明するのですが、思わず苦笑いしてしまうでしょう。振り返って読み直しなるほどとはなるのですが、真剣に読んではいけないかも。【メフィスト賞】2021/10/27