出版社内容情報
妻以外の女性を求め夜の街を彷徨う男。ところが仕留めた「獲物」が次々に殺され、現場には彼の遺留品が発見される。イヤミスの原点!「絶えず我が腕の中でわななけり」美しい妻をもちながら、街で女を漁る男は〈征服〉の記録を残していた。ところが新しい獲物を射止めると、昔の相手が殺される事件が続発。死体のある部屋に閉じ込められた挙げ句、逃げ帰ったアパートからは秘密の日記が消えていた。鮮やかな結末が衝撃的な本格ミステリーの傑作!
プロローグ
第一部 狩と獲物
インターバル(幕間)
第二部 証拠の採集
エピローグ
戸川 昌子[トガワ マサコ]
著・文・その他
内容説明
「絶えず我が腕の中でわななけり」美しい妻をもちながら、街で女を漁る男は“征服”の記録を残していた。ところが新しい獲物を射止めると、昔の相手が殺される事件が続発。死体のある部屋に閉じ込められた挙げ句、逃げ帰ったアパートからは秘密の日記が消えていた。鮮やかな結末が衝撃的な本格ミステリーの傑作!
著者等紹介
戸川昌子[トガワマサコ]
1933年東京生まれ。大手商社で英文タイピストとして勤務。のちにシャンソン歌手に。ステージの合間に書いた『大いなる幻影』で第8回江戸川乱歩賞を受賞。以後、幅広いジャンルの作品を多数執筆。海外でも高い評価を得る。自身の店を中心に今も舞台に立っている(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
たぬ
23
☆4.5 戸川昌子お初。このオチは予想してなかった。てっきり尾花けい子の姉だとばかり。本田一郎は自分の美貌と美声が相手にどう作用するか重々承知の上でああいった行動をとっていたのだろうな。でも妻には敬意を表さなきゃダメだろ。そりゃ復讐の鬼にもなるわ。2021/07/12
竹園和明
15
平たく言えば“女を喰いものにした男への復讐劇。その結末は!?”という話。最後にあっと言わせる展開が待つ。しかしこの作品の重み・価値は、昭和30年代後半に書かれたという事実にある。「ウーマンリブ」が語られるようになるさらに前。“男社会”の風潮が当たり前の時代に鋭い矢を射るように“女の意志”を突き刺した戸川昌子は凄い。こんなパワーを持った作家が今の時代にいるだろうか。作品としても松本清張に似た質感とプロットにグイグイ引き込まれ、あっという間に読破。面白く価値のある作品は時代が変わっても色褪せる事はない。2015/10/26
ぱんだぁ~
3
おもしろかった。合意の上でって言葉しか思いうかばない(>_<)2018/05/04
Ayah Book
3
「猟人日記」というエロティックな響きと昭和の時代のノスタルジックな雰囲気が良い作品。イヤミスというよりはフェミニズム的な物語だと思う。2016/06/13
タオル
2
前半の追い詰められる男の部分は、ヒッチコック劇場のようでサスペンス満点です。後半の犯人探しの部分は、予想通りに進んでゆき意外性は薄いのですが、男の弁護を請け負った弁護士先生ところの若い助手がいい味を出しています。無理矢理な設定も舞台が半世紀ほど前ということなのであまり気にせずに読めました。2016/03/20