出版社内容情報
娘の結婚、加齢に肥満、マイホーム購入……家族の悲喜こもごもは、ささやかだけど大事件。著者真骨頂の笑えて泣ける、極上短編集!ちっちゃい赤ん坊だった準子が嫁に行くんだぞ――男手一つで育てた娘を嫁がせる「結婚しようよ」。あの主人公が同年代の54歳と知って愕然とする「磯野波平を探して」。もはや見ないふりできない肥満解消のため家族でダイエットに励む「肉村さん一家176kg」他。短編の名手による、笑って泣ける7つの家族の物語。
結婚しようよ
磯野波平を探して
肉村さん一家176?
住宅見学会
プラスチック・ファミリー
しりとりの、り
家族写真
荻原 浩[オギワラ ヒロシ]
著・文・その他
内容説明
ちっちゃい赤ん坊だった準子が嫁に行くんだぞ―男手一つで育てた娘を嫁がせる「結婚しようよ」。あの主人公が同年代の54歳と知って愕然とする「磯野波平を探して」。もはや見ないふりできない肥満解消のため家族でダイエットに励む「肉村さん一家176kg」他。短編の名手による、笑って泣ける7つの家族の物語。
著者等紹介
荻原浩[オギワラヒロシ]
1956年、埼玉県生まれ。成城大学卒業。コピーライターを経て、1997年『オロロ畑でつかまえて』で第10回小説すばる新人賞を受賞。2005年『明日の記憶』で第18回山本周五郎賞、2014年『二千七百の夏と冬』で第5回山田風太郎賞を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
馨
210
短編集。荻原さん作品は相変わらずシュールで面白いです。表題作を読んだあとに表紙の絵を見た時感慨深くなりました。色々な形の家族。上手くいっていると言えなくても、他の人が見るとおかしいと思う形であっても、本人にとって家族は家族なんですね。『プラスチックファミリー』が1番好きでした。最後は切なくなりますが洋画の『ラースとその彼女』を彷彿とさせます。2017/01/07
しんたろー
203
荻原さん得意技の人情劇が7編、家族をテーマに涙あり笑いありで描かれている。初っ端の『結婚しようよ』でやられた!定年間際の男が一人娘と二人暮らししている話だが、年頃の娘を持つ身には反則と感じるくらいツボにハマる…娘が嫁ぐまでの過程、亡き妻を思い出すシーン…何度も笑ったり泣いたりさせられた。『磯野波平を探して』も笑いつつシンミリと考えてしまったし『プラスチック・ファミリー』には切ない思い出が蘇った。台詞だけの構成で家族関係が楽しめる『しりとりの、り』も巧い。中年男性にとっては、頷く事ばかりの名短編集だと思う。2018/12/10
おしゃべりメガネ
175
すっかり読んだ気になっていて、自分としては再読のつもりで読んでましたが、実は初読だった本作です。表題作はしっかりと荻原節をきかせてくれて、ちょっと歪みのあった家族の再生を温かく綴ってくれていました。他6編からなる短編集ですが、自分の読んだタイミングが悪いのか、思っていたよりはちょっとヒューマニティが薄味気味に感じられ、少し残念だったかなと。個人的にはもっとココロを温かくしてほしかったのですが、サラッとした感じでした。しかし、そんなに深くはないトコが本作のいいトコなのかもしれません。これはこれで良しですね。2020/01/11
やっさん
138
★★★☆ 短篇。閉塞感に悩む中年男やカッコ悪いお父さんの話が多い。6作目のしりとりの話、最初は声を出して笑ったけど、話が進めば進むほど笑えない展開に・・・。こんなに切ないしりとりあるのか・・・。2023/08/26
オリーブ子
118
夫の推薦図書。家族をテーマに、短編が7つ。まぁまぁの、なんで作品にしたの?な話もあるけど、いい話もあるというのが推薦文で。短編なので旅先で読みやすいと貸してくれた物。 私は最初の「結婚しようよ」でやられた。なにせ59歳で亡くなった母の名前が、定年を前にした主人公の、16年前に亡くなった奥さんの名前と一緒なんだもの。父はずっとどう思ってきたのか、すっかり感情移入しちゃった。 どの作品も面白かった。特にラストの「家族写真」かな。家族って、秘密があったり、すべて語り合えなくても、いいもんだと思います。2017/01/24