講談社学術文庫<br> 精霊の王

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講談社学術文庫
精霊の王

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  • サイズ 文庫判/ページ数 368p/高さ 15cm
  • 商品コード 9784062924788
  • NDC分類 162.1
  • Cコード C0191

出版社内容情報

人類に普遍的な思想の根源に存在する驚異の神=「宿神」の正体とは? 柳田國男『石神問答』をおおきく新展開する思想のオデッセイ!柳田國男の代表作に『石神問答』があります。石神=シャグジは四千?五千年前ほど前、この列島に国家が存在しなかった時代へと遡る「古層の神」です。国家が誕生するとこの古層の神は零落してしまいます。しかしながら、この縄文的な精霊は、芸能と技術の専門家たちの世界で、たくましく生き残っていたのです。「宿神(しゅくじん)」という名前で、能や造園といった分野では深く敬愛される存在でした。国家などの秩序を支える神に力をあたえ、秩序の世界に創造をもたらす存在は、中世には「後戸(うしろど)の神」と呼ばれていました。
本書の旅は、蹴鞠の名人・藤原成通の不思議な話から始まります。そして金春禅竹の秘伝書『明宿集』と中世における宿神の奇跡を辿り、縄文的要素の残る諏訪へと向かいます。そこで出会う太古の記憶は不思議な感動を覚えずにはいられません。
そこからさらにユーラシアに散在する宿神的な痕跡をおいかけることで、その人類的な普遍性へといたります。
熱く力強い筆致でわたしたちの前に現出する世界に圧倒されずにはいられません。
本当に世界を動かしている驚くべき力に触れる壮大な人類史を描ききった瞠目の書です。

プロローグ
第一章  謎の宿神
第二章  奇跡の書
第三章  堂々たる胎児
第四章  ユーラシア的精霊
第五章  緑したたる金春禅竹
第六章  後戸に立つ食人王
第七章  『明宿集』の深淵
第八章  埋葬された宿神
第九章  宿神のトポロジー
第十章  多神教的テクノロジー
第十一章 環太平洋的仮説
エピローグ 世界の王
現代語訳『明宿集』
あとがき
主要参考文献
解説 松岡心平
索引


中沢 新一[ナカザワ シンイチ]
著・文・その他

内容説明

宿神=シャグジ。国家誕生とともに埋葬され、忘れられた精霊である。技芸者だけは、この後戸の神を創造の源として敬愛し続けた。蹴鞠名人・藤原成通、金春禅竹『明宿集』、中世期の宿神の軌跡を辿る。そして、縄文的要素の残る諏訪で出会う太古の記憶は不思議な感動を喚起する。ユーラシア的普遍性を持つ真の王を巡る壮大な人類精神史。

目次

謎の宿神
奇跡の書
堂々たる胎児
ユーラシア的精霊
緑したたる金春禅竹
後戸に立つ食人王
『明宿集』の深淵
埋葬された宿神
宿神のトポロジー
多神教的テクノロジー
環太平洋的仮説

著者等紹介

中沢新一[ナカザワシンイチ]
1950年生まれ。東京大学大学院人文科学研究科修士課程修了。明治大学野生の科学研究所所長。思想家。著書に、『野生の科学』、『大阪アースダイバー』、『アースダイバー』(桑原武夫学芸賞)、『カイエ・ソバージュ』(小林秀雄賞)、『チベットのモーツァルト』(サントリー学芸賞)、『森のバロック』(読売文学賞)、『哲学の東北』(斎藤緑雨賞)など多数ある(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

姉勤

32
日本に神道や大陸由来の神仏が招来される以前の縄文以来の精霊は、今も神社の片隅に祀られている。その霊妙な働きや力は、古代以降、芸能や技芸の民に奉られ、それを享受する日本人の精神に受け継がれてきた。先人のフィールドワークや発見された古文書を牽き、言語化すると嘘になりそうな感応を想起させる。いわゆる「神ってる」舞台やパフォーマンスを体験して居る時を。巻末に本書でも多く引用された、能の名人で知られる金春禅竹の「明宿集」の現代訳を載せる。 2024/06/17

tama

7
図書館本 摩多羅神とは?シリーズ。この著者が一番イヤラシイ。「絶対な自分」が好きなのかな。マハーカーラとくっつけたのは「破壊・創造神」という属性ですか。宿神はスクって言ってて底と書いてるので地の下でもいいの?地の底にいる神?遺体は地に埋めるが?姉姫神をシキジと読み宿神とするなら矢奈比売もそうか?シキジって名前の土地が近くにある。大体ユーラシアといいながらブリテン島辺りしか話題にせず、東アジアの呪い師、アイヌの呪い師という一番近いカミ使いは放置?近くのオクナイ神楽の詞に「しゃくじ」の語見つけた。2021/04/07

ひつじ

6
感動した。何も言うまい……今の私がちょうど欲しかったものがあったので満足です。2021/06/26

ますりん

5
宿神や石神、佐久神、守宮神等々と表記されるシャグジという神を巡る一大叙事詩。夢みる中沢節はこの本も満開ですが、論点のパースの広さがハンパない。柳田国男「石神問答」折口信夫「翁の発生」からの、金春禅竹「明宿集」と秦河勝伝説を軸に、胞衣をかぶった子供とうつろ舟、天台宗玄旨帰命壇と本覚論、彼方と此方を行き来する翁と、シャグジを祀る猿楽を含めたテクノクラートたち、住吉神社の神々、蛙の背から人の顔が現れた縄文土器まで。個人的にはシャグジに対する信仰の在り方の東日本と西日本での違いのくだりはすばらしく腹落ち。2021/10/23

ひろ

2
能に出てくる「翁」は古来天皇や西洋の王がその主権・力の源泉ないし根拠とした「宿神」「コーラ」と同一の存在であり、それは世俗の王の出現によって現実世界から退き、被差別者などの虐げられた者の中にしか今や居なくなったが、この“王の中の王”にこそ未来の主権のあり方を表す可能性がある、という、ぶっ飛んだ、ロックなことが書かれている。神秘的な何かの神託が権力の根拠、というのはまあわかる。しかし未来の主権のあり方もまたその“王の中の王”に見いだせるかもしれない、というのは、一体どういうことなのか、私には全然わからない。2024/07/02

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