出版社内容情報
満州事変を主導した参謀、最終戦争論を唱えた男――日蓮主義に傾倒し、後年、戦争放棄を訴えるに至る変転の一貫した思想的本質とは?「再発見 日本の哲学」は、近代日本を建設する上で、その思想上の土台となった思想、哲学を、改めて問い直すシリーズです。
学術文庫収録も、いよいよ10冊目になりました。
石原莞爾は、満州事変の首謀者の一人として知られています。
また、『最終戦争論』を唱え、東洋と西洋が最終的に戦争をして世界を統一する、というような、今から見れば悪しき軍部の理論的支えと聞こえるような主張をしています。
ただし、石原は、何の思想もない軍国主義者ではありませんでした。
軍事研究と法華経研究が、二つのバックボーンとなって、彼の思想は展開していきます。
それが、最終的には、戦争放棄に行き着く。
それは、単なる変節なのでしょうか。
著者はそこに一貫する彼の哲学を見通します。
近代日本と密接に関係する彼の哲学を解明する本書は、テロの世紀、戦争の世紀を迎えている現在のわれわれにとって、必読と言えます。
第一章 真理と正義と世界統一
大正九年の春――日蓮との出会い/正義なき日本/法華経による世界 統一
第二章 戦争と仏教
石原の問い――真理と国家/かかわりのかたち――武の力とほうの力/ ベルリンにて
第三章 最終戦争論
有限なる世界/陸と海/「一心」と「不惜身命」
第四章 王道と戦争放棄
テイという他者、アメリカという他者/王道の登場/道と力
藤村 安芸子[フジムラ アキコ]
著・文・その他
内容説明
関東軍参謀として「満州事変」を主導した石原は、昭和十五年には『世界最終戦論』を公刊。王道の東洋文明と、覇道の西洋文明との最終戦争を唱える。その背景には、軍事研究と日蓮信仰が相携わっていた。そして敗戦後の戦争放棄論。では世界統一とは何なのか。近代日本と法華経の関係をどう捉えるのか?変転の中に一貫する哲学を照射する。
目次
第1章 真理と正義と世界統一
第2章 戦争と仏教
第3章 最終戦争論
第4章 王道と戦争放棄
著者等紹介
藤村安芸子[フジムラアキコ]
1971年、神奈川県生まれ。東京大学大学院人文社会系研究科博士課程修了、博士(文学)。専攻は、倫理学、日本倫理思想史。現在、駿河台大学現代文化学部教授(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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