出版社内容情報
日本の近代は、篤胤から何を作り出し、何を見失ったのか。人間の尊厳を問うた江戸末期の思想家の真髄を明解に描き出す!私たちは死んだらどうなるのか。二百年前、誰もが抱くこの問いに解決を与えようとした思想家こそ、平田篤胤である。
篤胤は主著『霊の真柱』で、自らの学問の目的は「真道」を知ることである、という。そして、「真道」を知るためには、「霊の行方の安定」を知ることが先決だというのである。
つまり、人は死後、霊(霊魂)になる。その霊のゆくえを知ることこそ、かれの学問だったのだ。
江戸末期の思想家のそのような思考が、日本の近代に大きな影響を与えている。
複雑怪奇な篤胤の思想の本質を明解に分析する快著。
第一章 篤胤の抱えた問い
第二章 神へ――問いの具体化
第三章 『新鬼神論』――死んだら霊魂になる
第四章 近世庶民仏教と『出定笑語』
第五章 『霊の真柱』――霊魂のゆくえ
終章 近代へ
吉田 真樹[ヨシダ マサキ]
著・文・その他
内容説明
何ももたない無一物であるからこその大志を起こし学問で名を挙げるべく江戸に出た篤胤。本居宣長を参照しながら「神」と「道」を導き出し、人は死後、霊になるとの考えのもとに独自の思索を展開する。主著『霊の真柱』はもとより、『新鬼神論』『出定笑語』など主要著作を読み解き、近代日本へも影響を与えた、死と霊魂の哲学の全貌を明らかにする。
目次
第1章 篤胤の抱えた問い―自己
第2章 神へ―問いの具体化
第3章 『新鬼神論』―死んだら霊魂となる
第4章 近世庶民仏教と『出定笑語』
第5章 『霊の真柱』―霊魂のゆくえ
終章 近代へ
著者等紹介
吉田真樹[ヨシダマサキ]
1971年生まれ。東京大学大学院人文社会系研究科博士課程修了。博士(文学)。現在、静岡県立大学国際関係学部准教授。専攻は倫理学・日本倫理思想史。『再発見 日本の哲学 平田篤胤―霊魂のゆくえ』により、2009年度日本倫理学会「和辻賞」(著作部門)を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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