講談社学術文庫*再発見日本の哲学<br> 再発見 日本の哲学 平田篤胤―霊魂のゆくえ

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講談社学術文庫*再発見日本の哲学
再発見 日本の哲学 平田篤胤―霊魂のゆくえ

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  • サイズ 文庫判/ページ数 319p/高さ 15cm
  • 商品コード 9784062923989
  • NDC分類 121.52
  • Cコード C0110

出版社内容情報

日本の近代は、篤胤から何を作り出し、何を見失ったのか。人間の尊厳を問うた江戸末期の思想家の真髄を明解に描き出す!私たちは死んだらどうなるのか。二百年前、誰もが抱くこの問いに解決を与えようとした思想家こそ、平田篤胤である。
篤胤は主著『霊の真柱』で、自らの学問の目的は「真道」を知ることである、という。そして、「真道」を知るためには、「霊の行方の安定」を知ることが先決だというのである。
つまり、人は死後、霊(霊魂)になる。その霊のゆくえを知ることこそ、かれの学問だったのだ。
江戸末期の思想家のそのような思考が、日本の近代に大きな影響を与えている。
複雑怪奇な篤胤の思想の本質を明解に分析する快著。

第一章 篤胤の抱えた問い
第二章 神へ――問いの具体化
第三章 『新鬼神論』――死んだら霊魂になる
第四章 近世庶民仏教と『出定笑語』
第五章 『霊の真柱』――霊魂のゆくえ
終章  近代へ


吉田 真樹[ヨシダ マサキ]
著・文・その他

内容説明

何ももたない無一物であるからこその大志を起こし学問で名を挙げるべく江戸に出た篤胤。本居宣長を参照しながら「神」と「道」を導き出し、人は死後、霊になるとの考えのもとに独自の思索を展開する。主著『霊の真柱』はもとより、『新鬼神論』『出定笑語』など主要著作を読み解き、近代日本へも影響を与えた、死と霊魂の哲学の全貌を明らかにする。

目次

第1章 篤胤の抱えた問い―自己
第2章 神へ―問いの具体化
第3章 『新鬼神論』―死んだら霊魂となる
第4章 近世庶民仏教と『出定笑語』
第5章 『霊の真柱』―霊魂のゆくえ
終章 近代へ

著者等紹介

吉田真樹[ヨシダマサキ]
1971年生まれ。東京大学大学院人文社会系研究科博士課程修了。博士(文学)。現在、静岡県立大学国際関係学部准教授。専攻は倫理学・日本倫理思想史。『再発見 日本の哲学 平田篤胤―霊魂のゆくえ』により、2009年度日本倫理学会「和辻賞」(著作部門)を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

優希

92
平田篤胤の思想に触れることができる1冊でした。本居宣長の影響を受けたその考えは、「神」と「道」を導き出すことで、死後「霊」になるという独自のものであることが興味深かったです。仏教の考えが主流だった時代に死と霊魂を結びつけた見方は新たな哲学と言ってもいいものだと思いました。2017/02/07

無重力蜜柑

13
面白い。このシリーズは何冊か読んでいるが、特に印象に残っているのは北一輝と石原莞爾。両者ともに大雑把に言えば右派に分類される人物で「正道」の思想史で肯定的に扱われることはない。しかし、本シリーズではそんな異形の思想家達の内面へ深く踏み込み、ときに一体化したかのような筆致で彼らの「倫理」を語る。その反近代的な迫力が癖になる。平田篤胤を扱う本書もそうした作品群の一つだ。「万邦無比の皇国」を礼賛し日本帝国主義の淵源となった熱烈な国粋主義者にして狂信的な宗教家。通俗的な平田篤胤イメージといえばそんなところだろう。2024/08/11

きさらぎ

5
「篤胤自身よりも篤胤のテキストをよく読み、篤胤に迫ろうと志し」「篤胤が読んで喜ぶようなものでなければ書く意味がないと自分に言い聞かせながら」書いた、という。迫力のある、文字通り読者にも篤胤にも「迫る力」のある本である。私の勉強不足もあろうが、本書が語る篤胤の近代性についてはイマイチピンとこなかったし、筆者の仏教や儒教の解釈にもやや釈然としなかったが、辛い生立ちを持つ篤胤が己の生(霊魂)を根拠づけようとする執念や師と仰ぐ宣長への想いの描写の迫真性はすごい。篤胤について、もう一冊読もうと思わせる力作だと思う。2017/02/21

ELAT

1
篤胤は霊魂に焦点をあてることで世界や人間を説明しようとする。近現代人にとっては霊魂を論じること自体があやしいものに映ってしまうが、生と死について根源から語ろうとする篤胤の姿勢はきわめて学問的であり、彼の思想のおもしろさに結実しているように感じた。本書は篤胤の生い立ち等にふれつつも、基本的には思想内容の紹介であり、よくある篤胤への誤解を排しつつ、儒教・仏教との違いや宣長の説との違いも述べられていて分かりやすかった。2018/05/04

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