講談社学術文庫<br> 興亡の世界史 スキタイと匈奴 遊牧の文明

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講談社学術文庫
興亡の世界史 スキタイと匈奴 遊牧の文明

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  • サイズ 文庫判/ページ数 408p/高さ 15cm
  • 商品コード 9784062923903
  • NDC分類 229.6
  • Cコード C0122

出版社内容情報

前7世紀、黒海北方に現れたスキタイ。前3世紀、モンゴル高原に興った匈奴。草原に独自の文明と国家を築き上げた騎馬遊牧民の世界。講談社創業100周年記念企画「興亡の世界史」の学術文庫版。大好評、第2期の5冊目。
人口・経済力の点では圧倒的に劣勢なはずの遊牧国家は、隣接する定住農耕社会にとっては常に大きな脅威でした。ペルシア帝国の絶頂期を現出したダレイオス一世をもってしても征服することのできなかった部族集団スキタイ。漢の皇帝たちと対等に闘う軍事力と、李陵や張騫など有能な人材を受け入れる寛容さを持ちあわせていた匈奴。モンゴル高原から黒海北方まで草原を疾駆した騎馬遊牧民にとっては「ヨーロッパ」も「アジア」もありませんでした。定住農耕地帯の文化・社会・道徳とはまったく正反対の騎馬遊牧民。その自然環境、歴史的背景を踏まえ、彼らがいつ頃誕生し、強大な権力を持つようになったのかを明らかにし、ユーラシア大陸の東西に1000年のスケールで展開する騎馬遊牧民の歴史を描きます。
スキタイや匈奴は文字を持たず、自らの歴史を記録することはありませんでした。しかし、幸いにも東西の「歴史の父」と称される稀代のストーリーテラー、ヘロドトスと司馬遷によって、彼らの実力と暮らしぶり、習俗が書き留められています。興味深いことに両者の語るスキタイと匈奴の風俗習慣は驚くほどよく似ていることがわかります。本書では、史書に記された事柄を発掘資料とあわせて騎馬遊牧民の真の姿を浮かび上がらせていきます。
「都市」のない遊牧社会は、「文明」とは無縁の存在、むしろ対極にある「野蛮」の地と思われがちですが、それは定住農耕社会からの一方的な決めつけにすぎません。発掘された草原の覇者たちの装飾品には、豪奢な黄金の工芸品や色鮮やかなフェルト製品などがあり、その意匠から、ギリシアや西アジアの影響を受けながらも、独特な動物文様や空想上の合成獣グリフィンなど独自の美術様式を生み出していたことがわかります。
ソ連崩壊後に可能になったユーラシア草原地帯の発掘調査で、次々と蓄積されている新たな考古学資料。フィールド調査を積み重ねてきた著者ならではの視点で、「もうひとつの文明」の実像に迫ります。
原本:『興亡の世界史02 スキタイと匈奴 遊牧の文明』講談社 2007年刊

はじめに
第一章 騎馬遊牧民の誕生
第二章 スキタイの起源
第三章 動物紋様と黄金の美術
第四章 草原の古墳時代
第五章 モンゴル高原の新興勢力
第六章 司馬遷の描く匈奴像
第七章 匈奴の衰退と分裂
第八章 考古学からみた匈奴時代
第八章 フン族は匈奴の後裔か?
おわりに
学術文庫版のあとがき
参考文献
年表
主要人物略伝
索引


林 俊雄[ハヤシ トシオ]
著・文・その他

内容説明

紀元前七世紀前半、カフカス・黒海北方に現れたスキタイ。紀元前三世紀末、モンゴル高原に興った匈奴。ヘロドトスや司馬遷が書き記した彼らの共通点とは?ヨーロッパを混乱に陥れたフン族は、匈奴の後裔なのか?ユーラシアの草原に国家を築き、独自の文明を創出した騎馬遊牧民の真の姿は、ソ連崩壊後の発掘調査で、次々と明らかになっている。

目次

第1章 騎馬遊牧民の誕生
第2章 スキタイの起源
第3章 動物文様と黄金の美術
第4章 草原の古墳時代
第5章 モンゴル高原の新興勢力
第6章 司馬遷の描く匈奴像
第7章 匈奴の衰退と分裂
第8章 考古学からみた匈奴時代
第9章 フン族は匈奴の後裔か?

著者等紹介

林俊雄[ハヤシトシオ]
1949年東京都生まれ。東京教育大学卒業、東京大学大学院人文科学研究科博士課程東洋史学科単位取得退学。古代オリエント博物館研究員を経て、創価大学文学部教授。専門は中央ユーラシアの歴史と考古学(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

優希

102
興亡の世界史シリーズを着々と読んでいますが、この巻は何故か抜け落ちていたようです。メインとなるのは考古学と遊牧民族の多様性といったところでしょうか。紀元前7世紀に現れたスキタイ、紀元前3世紀末に興った匈奴。これらの共通点を考察していくのが興味深かったです。その後現れたフン族は遊牧民族として独自の文明を作り出したのかも注目すべきところでした。考古学から遊牧民の文明の謎まで幅広い視点で語られる歴史が面白かったです。2017/02/08

松本直哉

23
前9世紀の中央アジアの古墳の出土品から復元された女性の頭飾り diadème(その高く盛ったデザインはたぶん、もともとは弓矢の誤射から身を守るためのものだろう)が、現代のこの地の民族衣装と似ているのに驚く。文字や歴史を持たなくても、時間を超えて伝承されたものに、まぎれもなく高度な文明が息づいている。地理的にも、東の匈奴と西のスキタイの工芸品の意匠を比べるだけで、その広大さがうかがえる。ヘロドトスや司馬遷とは逆の視点から見た中央アジアの文明は、生活そのものが豪宕な祭儀であるかのように光り輝いて見える。2022/03/23

かんがく

18
騎馬遊牧民であるスキタイと匈奴について。彼らは文字を持たないため、考古学とヘロドトス、司馬遷による外から見た史料が中心になる。考古学分野についてはあまり興味がなく読み飛ばしたが、遊牧民の国家形成や農耕、外交などについての記述もあり、遊牧民のイメージが深まった。ヨーロッパと中国の間にあって、両方へ脅威を与えた遊牧民については、もっと学ぶ必要がある。ソ連、中国、モンゴル、トルコと遊牧民に関連する国の研究者がことごとく民族主義的な影響を受けているというのも面白い。2019/10/24

みのくま

12
ヘロドトスは「歴史」でスキタイを、司馬遷は「史記」で匈奴を、ある一定の理解を示しながら著述した。確かに彼ら以降の歴史家の非定住民に対する侮蔑感情は著しく、それは現代まで続いているといえよう。ただヘロドトスや司馬遷も同様の限界を抱えており、彼らのバイアスを考慮に入れながら勉強するしかない。そういった状況を踏まえ、考古学ならば純粋に古代遊牧民の実像を暴いてくれると期待したが、それもどうやら難しい。遊牧民の本拠である中央ユーラシアは政治的に錯綜している地域であり、考古学でさえ政治問題と無関係ではいられないからだ2021/05/10

10
考古学的な内容が多いスキタイはやや退屈だったが、匈奴や終盤のフン族は面白かった。アッシリア・バビロニア・アケメネス朝辺りがスキタイに関しての記録をもっと残しておいてくれたら良かったのだが…。2018/01/21

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