講談社学術文庫<br> 興亡の世界史 イスラーム帝国のジハード

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講談社学術文庫
興亡の世界史 イスラーム帝国のジハード

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  • サイズ 文庫判/ページ数 408p/高さ 15cm
  • 商品コード 9784062923880
  • NDC分類 228
  • Cコード C0122

出版社内容情報

アラビア半島に誕生したイスラーム共同体はイベリア半島からアジアに至る帝国をいかに築いたか。ジハードと融和の原理から解明する。 講談社創業100周年記念企画として刊行された全集「興亡の世界史」の学術文庫版。大好評、第2期の3冊目。
 21世紀の文明社会に波乱を呼ぶイスラームの原理とは本来どのようなものか、その誕生から歴史的な展開を通じて究明する。
 ビザンツ帝国とササン朝ペルシアの狭間にあるアラビア半島は長らく国家をもたない政治的空白地帯だった。そこに7世紀、絶対神アッラーを信奉し、人間の平等を説いて弱者救済を訴えるムハンマドが、迫害のなかイスラームの共同体を建設。マッカ(メッカ)とマディーナ(メディナ)に確立された共同体はやがてアラビア半島全域に広がる。632年のムハンマド死後は、わずか1世紀で西はイベリア半島、東は中央アジアに達したのである。
 ムハンマドの後継者たちはアラビア半島の外に溢れ出るように大征服に赴いた。「剣のジハード」によって正統カリフ時代(632?661)からウマイヤ朝期(661?750)に広大な版図が生まれ、都市国家は帝国へと変容、本格的なイスラーム帝国であるアッバース朝(750?1258)の時代を迎える。ジハードはしばしば聖戦と訳されるが、根幹にはいかに社会正義を樹立するかという政治・社会的な課題と信徒が自己犠牲を厭わないという宗教的な命題がある。この原理と融和の原理が合わさって、多民族、多人種、多言語、多文化の人々を包摂し、多宗教をも融和するようなイスラーム帝国が構築された。イスラームを理解するためには、ジハードと融和という二つの原理を忘れてはならないと著者はいう。
〔原本:『興亡の世界史06 イスラーム帝国のジハード』講談社 2006年刊〕

はじめに 「夜陰の旅立ち」から  
第一章 帝国の空白地帯
     古代帝国の間で
     人類の宗教思想地図
     アラブ人の系譜
第二章 信徒の共同体
     ムハンマドという人
     社会変革の教え
第三章 ジハード元年
     新天地へ
     新しい共同体の原理
     戦いの始まり
     試練の訪れ
     マディーナの防衛
     ジハードの理念
第四章 社会原理としてのウンマ
     イスラームの暮らしのリズム
     共同体の諸制度
     政治の季節
     イスラームの完成
     征服の始まり
第五章 帝都ダマスカスへ
     都市国家から帝国へ
     転換期の混乱
     「白」の帝国ウマイヤ朝
     帝国支配への道
第六章 イスラーム帝国の確立
     ウマイヤ朝の限界
     アッバース朝の繁栄
     内戦と帝国の変容
第七章 ジハードと融和の帝国
     国家と社会の確執
     国際ネットワークの確立
     イスラーム世界の形成
第八章 帝国の終焉とパックス・イスラミカ
     大帝国の分解
     多極化の時代
第九章 帝国なきあとのジハード
    帝国なき時代
    イスラーム世界の解体
第十章 イスラーム復興と現代
    イスラーム復興の始まり
    急進派が表舞台へ
    ジハードをめぐる論争
    二一世紀の眺望
あとがき
学術文庫版のあとがき
参考文献
年表
主要人物略伝
索引


小杉 泰[コスギ ヤスシ]
著・文・その他

内容説明

七世紀、アッラーの啓示で人間の平等と弱者救済を説いたムハンマド。迫害の中で創られたイスラーム共同体は後継者たちの大征服でアラビア半島の外に拡大。わずか一世紀でイベリア半島から中央アジアまで広大な帝国を築き、一〇世紀にはアッバース朝の黄金期へ。多民族、多人種、多文化の人々を包摂、多宗教も融和する知恵が歴史の奇跡を実現した。

目次

はじめに―「夜陰の旅立ち」から
帝国の空白地帯
信徒の共同体
ジハード元年
社会原理としてのウンマ
帝都ダマスカスへ
イスラーム帝国の確立
ジハードと融和の帝国
帝国の終焉とパクス・イスラミカ
帝国なきあとのジハード
イスラーム復興と現代

著者等紹介

小杉泰[コスギヤスシ]
1953年、北海道生まれ。エジプト国立アズハル大学イスラーム学部卒業。法学博士。京都大学大学院教授。専門はイスラーム学、中東地域研究。2012年に紫綬褒章を受章(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

榊原 香織

119
マホメットから現代まで一気に。一神教は中東の砂漠の限られた地域から発生 メモ;ファーストネームで分かる宗教 ムハンマド(イスラム)、ウマル(スンナ)、アブドゥルフサイン(シーア)、フリトルス(キリスト) 2025/02/24

優希

81
イスラーム帝国の多民族・多人種・多文化・多宗教ならではの歴史が語られていきます。7世紀、アッラーの啓示により平等と救済精神をムハンマドが説く中で建国されたイスラーム。後継者たちの勢力拡大により、広大な帝国を造り上げ、黄金期を築いた歴史はまさに大制服ならではの結果だと思います。わずかな間に勢力を持っていく危険性が恐ろしい国家であり、今のイスラームの思想へと結びつく基礎がここで出来ていたらと考えると、鳥肌が立ちます。様々な要素を融和し、包括した流れに、現代のイスラームの片鱗を見たようでした。2016/12/11

南北

38
アラビア半島という政治的な「空白地帯」に発生したイスラーム教がやがて広大な帝国を築き、やがて帝国が滅亡するまでの歴史を描いた本です。オスマン帝国やモンゴル帝国については同じ「興亡の世界史」シリーズにあるので、そちらで補完できると思います。単に過去の歴史だけではなく、アル=カーイダや「イスラーム国」にも言及しているので、現代を理解する上でも参考になります。ジハードをテロと直結させて考えるのは誤りだということがよくわかります。 2017/06/06

ああああ

11
「ジハード」とは信仰するための「努力」のことなのか。なるほど、本書の題材は剣によるジハード、つまり戦争そのものではない。ムハンマドの時代から、ウマイヤ朝、アッバース朝をへて多極化していくムスリム達の物語として、とても面白く読めた。国や政権の枠組みを超えて社会を支えているのが共同体であるウンマ。ウンマと言われてもピンとこないけど、神社の境内で餅つきやお祭りをする地域社会のようなイメージが近いのかもな~。2017/09/27

みのくま

10
この世界に巣食う不平等や不公平、差別にジハードを起こした偉人こそムハンマドに他ならない。イスラームとは唯一神アッラーの加護の下、全人類に平等と公平、そして自由を謳う思想だ。しかしこのような理想は、アラビア的土着性や外敵など多くの困難に見舞われる。特に西洋列強による植民地化以降、イスラームは帝国が崩壊し、「野蛮」というレッテルを貼られ、民族主義(=部族・血縁主義)も高まってしまった。そしてこのような堕落から防衛するはずのジハードも、指導者(カリフ)を失い単純化されてしまった。イスラームの復興は可能なのか。2018/10/08

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