講談社学術文庫<br> 滑稽の研究

電子版価格
¥1,045
  • 電子版あり

講談社学術文庫
滑稽の研究

  • ただいまウェブストアではご注文を受け付けておりません。
  • サイズ 文庫判/ページ数 280p/高さ 15cm
  • 商品コード 9784062923798
  • NDC分類 701
  • Cコード C0110

出版社内容情報

「のらくろ」の巨匠が「滑稽とはなにか」を真摯に探求する。古今東西の哲学者による笑いの研究を参照し、滑稽の美学をつくりあげる。「滑稽とはなにか」
「のらくろ」の巨匠が真摯に探求した。
国内外の美学、修辞学、論理学等の著作から
滑稽論を渉猟し、理論的バックボーンを追求。
また、芸能・文芸・絵画の史料にその発祥を求める。
ユーモア、ウィット、笑い、コミック、ナンセンス、、、、
様々な滑稽の表層から核心に近づこうと苦心する
巨匠のあゆみを追体験する。
理論の実例として、実作者ならでは、
自身の作品を豊富に使用。
(「理論編」に挿入されるアリストテレス、カント、ベルグソンらの似顔絵も一見の価値あり。)
また、愛弟子の長谷川町子ほか同時代作家の作品も、
巨匠によるあたたかな解説とともに掲載。

理論編
●美学による滑稽
アリストテレス アウグスティヌス ルネサンス以後 ホッブス バウムガルテン カント レッシング ジャン・パウル ショウペンハウエル フィッシャー フェヒネル リップス 主観的滑稽 客観的滑稽 素朴的滑稽 ベルグソン スペンサー レイマン デソアール
●美的範疇
美 優美 崇高美(壮美)  悲壮美 醜 滑稽 ユーモア ブラックユーモア
●修辞学による滑稽
比喩法 直喩 暗喩 活喩 擬人法 引喩 風喩 張喩 誇張 縁語と掛け言葉 
●笑い
笑いの心理 笑いの生理
史料編
●芸能
散楽 田舞から田楽へ 田楽から猿楽へ 猿楽能 田楽の盛衰 猿楽から能へ 狂言 世阿弥 興言利口 狂言の語義 踏歌 千秋万歳 放下師 落語 曾呂利新左衛門 安楽庵策伝 露の五郎兵衛 米沢彦八 鹿野武左衛門 立川焉馬 石井宗叔 桜川慈悲成 三笑亭可楽 寄席の話
●文芸
万葉集 連歌 俳諧連歌集 山崎宗鑑 荒木田守武 松永貞徳 西山宗因 前句付け 慶紀逸 柄井川柳 狂句 狂歌 暁月房 雄長老 永田貞柳 栗柯亭木端 木室卯雲 風来山人 大屋裏住 唐衣橘洲 四方赤良 朱楽菅江 節松嫁々 元杢網 智恵内子 平秩東作 狂歌の字義 滑稽小説 仮名草子 竹斎物語 烏丸光広 東海道名所記 滑稽本 東海道中膝栗毛 十返舎一九 浮世風呂 浮世床 式亭三馬 小紋雅話 奇妙図彙 噺本
●絵画
法隆寺 正倉院 唐招提寺 瓦絵 下店氏の戯画観 荒海の障子 烏滸絵 絵巻 信貴山縁起絵巻 鳥獣戯画絵巻 鳥羽僧正 伴大納言絵詞 病草子 餓鬼草子 絵師草子 破来頓等絵詞 百鬼夜行絵巻 福富草子 宋画の伝来 民衆画の発祥 岩佐又兵衛 菱川師宣 奥村政信 英一蝶 大津絵 鳥羽絵 耳鳥斎 狩野派の戯画 浮世絵派の絵師 歌川国芳 葛飾北斎 北斎漫画 河鍋暁斎 狂画から漫画へ


田河 水泡[タガワ スイホウ]
著・文・その他

内容説明

滑稽とはなにか。『のらくろ』の巨匠が真摯に探求した。執筆の傍ら研究を続け、米寿に際して発表した書。国内外の美学、論理学等の論考を渉猟、古代以来の軌跡を追い、理論的バックボーンを追究する。また、芸能・文芸・絵画の史料に滑稽の発祥を求める。難解な理論も、自身や同時代作家の作品を豊富に引用し、実作者ならではの視点で解釈を試みる。

目次

理論編(美学による滑稽;美的範疇;修辞学による滑稽;笑い)
史料編(芸能;文芸;絵画)

著者等紹介

田河水泡[タガワスイホウ]
1899‐1989。漫画家。本名は高見沢仲太郎。日本美術学校卒。落語作家を経て、「目玉のチビちゃん」(1928)でデビュー。1969年紫綬褒章受章(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

この商品が入っている本棚

1 ~ 1件/全1件

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

徒花

350
序盤、「滑稽」についてさまざまな側面から論を集めるのはなかなか面白いのだが、後半に入って日本における滑稽の歴史になってくると、単なる人物の羅列のようになってしまい、一気に眠くなってくる。しかも本人があとがきに書いてあるように、マンガ以外の歴史を調べることは蛇足であり、その意味でも本書は単に著者の著者による著者のために書かれた本であるから、よほどの物好きでない限りカネを出して買ってまで読む必要はないと思う。2016/10/14

ヒダン

15
『のらくろ』の作者が滑稽を研究してまとめたもの。読んでいて面白い理論編と滑稽文化の起源から始まりよく網羅された史料編からなる。独自の理論ではなくて、滑稽の定義史のような内容。小難しい定義の言わんとするところを実現した一枚絵や四コマをそれぞれ与えている。デアソールの六分割はいい線いっていると思う。資料編は文芸と絵画に分かれている。田楽とか起源のところは初耳で興味深い。江戸時代になると日本史の授業を思い出したりした。昔の滑稽作品の何が面白いのかもう一言ずつ説明が欲しい感じではあった。2016/12/08

keroppi

14
「のらくろ」の田河水泡さんが88歳の時に記した本。なかなかちゃんと美学の理論や日本史を分析しているのにビックリ。前半の美学理論を具体的に漫画で説明しているのが面白い。後半の歴史は、もう少し図版か欲しいところ。2016/09/28

donky

5
実作の漫画家が、その生業のルーツを辿るという試みに壮大で稀有な志を感じました。「滑稽の研究」というタイトルにも大真面目ながら、軽妙な気分を映していますが、「研究」は果たして成就したか、少し疑問ではあります。とにかく面白い。理論編は、やや観念的で哲学書からの援用理論は分かり辛いのですが、漫画のコマを利用しての説明は機転が利いています。資料編の芸能での田楽・猿楽・能から落語への分岐、変遷の考察は珍しく面白かった。竹馬踊り様の姿が後の「おでん」に繋がるとは初見でした。文芸や絵画の滑稽史はやや物足りない印象です。2016/10/22

せいむ

1
史料編がとても面白い。能の成り立ちや、川柳に落語に小説に絵に...系統立てて説明してくれると本当にわかりやすい。特に狂歌や狂句.川柳の区別がついていなかったので勉強になった。何度か読み返している本

外部のウェブサイトに移動します

よろしければ下記URLをクリックしてください。

https://bookmeter.com/books/11095945
  • ご注意事項

最近チェックした商品