講談社学術文庫
記号論〈2〉

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  • サイズ 文庫判/ページ数 477p/高さ 15cm
  • 商品コード 9784062921954
  • NDC分類 801
  • Cコード C0110

出版社内容情報

言語とコミュニケーションをめぐる思考は、いよいよ「記号生産」という核心へと至る。人の営みとしての”記号”の正体に肉薄する!『フーコーの振り子』の著者が問う「記号生産の理論」!
記号、あるいは記号の連鎖が作り出されるとはどのようなことか。
意味作用とコミュニケーションをめぐる思索は、いよいよ核心へ。

記号が作り出されるとはどのようなことか。記号生産の様式を認知、直示、模像、創案の四型に類型化。美的テクストなどの記号が表示義を絶えず新しい共示義に変えて行くさまを描出する。信号がその内容といかに相関するかという様式についても検討し、過剰コード化やコードの転換により新たな意味作用が生成する現象をも分析。記号という営みの核心に迫る!

メッセージとコードは両者の間に保たれる緊密な弁証法的な相互関係を通して、たがいに相手を養い合う。この関係を通じて受信者は新しい記号現象の可能性を意識し、それによって言語全体――すなわち、語られて来たこと、語りうること、語られうるし、また語られるべきことから成る遺産のすべて――を考え直すように仕向けられるのである。……意味体系を変えるということは、文化が世界を「見る」やり方を変えるということである。――<本書より>

※本書の原本は、1996年に岩波書店より刊行されました。

第3章 記号生産の理論
第4章 記号論の主体


ウンベルト・エーコ[ウンベルト エーコ]
著・文・その他

池上 嘉彦[イケガミ ヨシヒコ]
翻訳

内容説明

記号が作り出されるとはどのようなことか。記号生産の様式を認知、直示、模像、創案の四型に類型化。美的テクストなどの記号が表示義を絶えず新しい共示義に変えて行くさまを描出する。信号がその内容といかに相関するかという様式についても検討し、過剰コード化やコードの転換により新たな意味作用が生成する現象をも分析。記号という営みの核心に迫る!

目次

序論 文化の論理を求めて(記号理論の輪郭;「記号論」―研究分野なのか体系的学問なのか;コミュニケーションと意味作用 ほか)
第1章 意味作用とコミュニケーション(基礎的なコミュニケーション・モデル;体系とコード;構造としてのsコード ほか)
第2章 コードの理論(記号機能;表現と内容;表示と共示 ほか)

著者等紹介

エーコ,ウンベルト[エーコ,ウンベルト] [Eco,Umberto]
1932年生まれ。イタリアの記号論学者・小説家

池上嘉彦[イケガミヨシヒコ]
1934年京都市生まれ。東京大学大学院英語英文学科修了。Yale大学大学院言語学科Ph.D.昭和女子大特任教授。東京大学名誉教授。専攻は認知言語学(特に意味論)、記号論、詩学(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

roughfractus02

6
情報理論から言語学に転用されたコード概念を開かれたものにするため、著者は言語コミュニケーションも意味の生産過程と捉える。発信者と受信者の位置、信号の種類、着信点での反応の3つにコードを区別すると、記号概念は意味の表示から慣習の共示までをカバー可能となる。本書は共示の言語での例に部分で全体を表す換喩と上位概念を下位概念で表す提喩のどちらにも当てはまらないケースに焦点を当てて、コードの過剰と過小という不確定な部分を引き出す。一方、本書に出てくる物理学用語に、著者がこの不確定要素を仕込んだのどうかはわからない。2019/01/18

またの名

4
「笑い」をキーポイントにする『薔薇の名前』の著者らしく、高度で抽象的な理論の合間に挟まれる具体例が妙なおかしみを含む。類像の安易な想定に対する批判の調子が熱っぽくて、記号によって指示される物自体に飛びつくことを受け入れ難いとするのは、文化現象はどこまでも文化現象であってそれ以前の自然な段階を無暗に導入してはならない、というある種の超越論哲学的なモラルに従ってのことなんだろうか。言語相対論とカントの接近も類推できる今なお刺激的な書物なのに、「カントの超越的美学」なんて訳が訂正されずにいるのは微かに不安。2013/12/11

左手爆弾

0
上巻(I)の方にも書いたのだが、やはり記号の「理論」を書こうとして、記号現象の博物学的記述以上のものを出せていないように感じた。もっといえば、壮大な勉強ノートであるとも。概念と規則をひとつずつ出して足場を固めていくという書き方に見えるが、果たして本当にそういう論述になっていたのか。分析哲学や言語学の知見を持ち込むのなら、もっとわかりやすく問題を立てることができたのではないか。2017/03/20

onisjim

0
2巻は記号の生産、その様式について。ついに読み終えた。難しかった、あまりにも難しかった。2013/12/07

アドソ

0
訳者解説から先に読んだのは正解だったが、それでも本文はとっても難しかった。記号の類像性でさえも実は有契的だとか、まあそういうことが書いてあるのだと思う。しかし記号の多義性を説明するのに「マクスウェルの悪魔」を持ち出す必要があるんだろうか。かえって話を難しくしていないだろうか。2013/11/21

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