講談社学術文庫<br> 荻生徂徠「政談」

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講談社学術文庫
荻生徂徠「政談」

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  • サイズ 文庫判/ページ数 368p/高さ 15cm
  • 商品コード 9784062921497
  • NDC分類 121.56
  • Cコード C0110

出版社内容情報

悪魔の統治術か。近代的思惟の萌芽か。将軍吉宗の極秘下問に応えて江戸の病理に立ち向かった日本近世思想史の巨人による政策提言集。悪魔の統治術か。近代的思惟の先駆けか。
江戸の<病理>に立ち向かった、日本近世思想史の巨人による政策提言集。

開闢以来第一の人物と同時代人に称賛された日本近世思想史の巨人、徂徠。将軍吉宗の下問に応えて彼が献上した極秘の政策提言書には悪魔的な統治術の数々がしたためられていた。反自由・反平等思想の表れか。近代的思惟の先駆けか。それは江戸の現実と病理に立ち向かった実践的思索の集積であった。いまも論争を呼ぶ経世の書を平明な現代語で読む。

「機事、密ならざれば、則ち害生ず」(『易経』繋辞上伝)ということがあって、幕府の政治上の機密は明白に人に語るべきものではないから、この物語は弟子にも書かせず、私自身の老眼と悪筆で認(したた)めたことである。将軍様の上覧に入れたのちは、焼却していただきたい。
物部茂卿 敬 識(もののべのもけい つつしんで しるす)
――<「政談」巻末より>


※本書の原本は、1974年に『日本の名著 16 荻生徂徠』として中央公論社より刊行されました。
文庫化にあたっては、中公バックス版の同名書(1983年刊)を底本としました。

■政 談■
○巻 一
 国を治める方法の根本
 江戸の町中ならびに武家屋敷の取締りのこと
 出替り奉公人の取締りのこと
 旅人を滞在させるについての取締りのこと
 戸籍のこと
 路引のこと
 浪人ならびに道心者の取締りのこと
 遊女と河原者ならびに乞食の取締りのこと
 譜代者のこと
 武家の旅宿の境界を改めること
 海路の取締りのこと
○巻 二
 経済政策の重要性
 せわしい風習を改めるべきこと
 礼法の制度が現在はないこと
 幕府の財政のこと
 諸大名の困窮を救うこと
 旗本・御家人の困窮を救うこと
 物価のこと
 金銀の数量が減少したこと
 貸借のこと
 礼法の制度のこと
 武家が米穀を貯蔵すること
○巻 三
 人の処遇、および官位・爵禄・勲階のこと
 頭・助・丞・目のこと
 諸役人の統属関係や職務分担のこと
 諸役人の才徳を見分けること
 代官の職のこと
 旗本諸役人の人材登用のこと
 諸役人には器量ある者を選ぶべきこと
 諸役人の勤務に間暇があるようにすべきこと
 役職に文武の区別があるべきこと
○巻 四
 番衆の行動に対する制約のこと
 法令を統一すべきこと
 養子のこと
 潰れ大名の家来は郷士とすべきこと
 大きな大名は分割すべきこと
 結婚した女は夫の家風に従うべきこと
 貴賤ともに女の仕事のこと
 妾を御部屋と称すること
 妾を妻とすること
 妾を隠し者とすること
 密告のこと
 喧嘩両成敗のこと
 博奕打のこと
 強盗のこと
 吉利支丹のこと
 田地売買のこと
 御文庫の書籍のこと
 学問のこと
 儒者のこと
 医者のこと
○補 注 
     
●国家主義の祖型としての徂徠(尾藤正英/1974年)
 
●あとがき
●解 説 (高山大毅)


荻生 徂徠[オギュウ ソライ]
著・文・その他

尾藤 正英[ビトウ マサヒデ]
著・文・その他/翻訳

内容説明

開闢以来第一の人物と同時代人に称賛された日本近世思想史の巨人、徂徠。将軍吉宗の下問に応えて彼が献上した極秘の政策提言書には悪魔的な統治術の数々がしたためられていた。反自由・反平等思想の表れか。近代的思惟の先駆けか。それは江戸の現実と病理に立ち向かった実践的思索の集積であった。いまも論争を呼ぶ経世の書を平明な現代語で読む。

目次

巻1(国を治める方法の根本;江戸の町中ならびに武家屋敷の取締りのこと ほか)
巻2(経済政策の重要性;せわしい風習を改めるべきこと ほか)
巻3(人の処遇、および官位・爵禄・勲階のこと;頭・助・丞・目のこと ほか)
巻4(番衆の行動に対する制約のこと;法令を統一すべきこと ほか)

著者等紹介

尾藤正英[ビトウマサヒデ]
1923年、大阪市生まれ。1949年、東京大学文学部国史学科卒業。名古屋大学講師、東京大学助教授、教授、千葉大学教授、川村学園女子大学教授を歴任。東京大学名誉教授。日本学士院会員。文学博士(名古屋大学)。専攻は日本近世史(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー

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かんがく

16
江戸思想史の名著を読みやすい現代誤訳で。朱子学批判、現実重視、個人よりも国家といった徂徠の思想を反映した幕政改革への提言。礼法の整備と武士の土着による財政再建と、幅広い人材登用が多く述べられる。巻末の解説の新井白石との比較も面白い。自信家で悪口好きな徂徠の人間性も好き。2020/02/25

壱萬参仟縁

5
武家の妻が江戸に住むと贅沢になり、やがては病気になるが、田舎に住むと健康になる(77-8頁)。但し、田舎にも快適な環境がないとまずいのだが。困窮がすべての原因であって、国が困窮するのは、病人の体力が尽きるようなもの(87頁)。政治家は、国が困窮しないように注意してきた。現代の政治家もご注意いただきたい。物価が下がらない理由が書いてある。商人の責任だと(126頁)。現代は消費税還元セール禁止令だ。2013/06/07

ちゅん

4
江戸時代中期、武家階級を支配していた朱子学。理想論の朱子学にアンチテーゼを投げるのが本書です。本書は徂徠が吉宗に提言する政治論です。徂徠の思想のベースは現実的です。忠臣蔵の判決話は有名ですね。都市への一極集中を無くすて地方にも活気を与える策。為政者の世襲を禁止する策。今でこそ納得できそうなものですが、当時としては違和感を抱く者もいたのではないかと思います。徂徠が描く社会は、個人として莫大な富を得るということは難しそうですが、全体の安定を得るという点では優れていると感じました。2018/06/02

千住林太郎

3
徳川吉宗の治世、貨幣経済の発達と都市への人口集中により、日本社会は大きく変わりつつあった。本書は動乱の時代に提出された政策提言の抄訳である。著者徂徠は、礼儀作法を重視するとともに人々を土地に縛り付けることで効率的な統治を行えるとともに農村の復興が可能であると説く。また、個々人の適性を見極めて社会に有用な人材にするよう説いた。 徂徠は個人よりも社会が優先されると考え、個人は自己の職分に応じて有用な人材として社会に貢献するべきであるとした。2021/08/26

デンプシー

2
お金を払って時間を買っていることや、見た目で身分がわからなくなったことは、現代にも通じる指摘で面白いと思う。また、以前であれば幕府の高官も庶民と接しっていてそこから人材登用もあったが、今やそうした付き合いがめっきりなくなってしまったことを指摘しているが、これは社会的階層の移動や顔の見えない政治の問題にもつながる話だと思った。また、社会として農民が商人に転身するようになると国が貧しくなるという指摘は、色々考えさせられる。2025/03/22

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