内容説明
中世の幕開きに興った仏教改革の潮流。禅宗や浄土思想の影響で新しい宗派が誕生する一方、旧仏教にも変革の機運が生じ、日本史上、仏教が最も活気に満ちた瞬間が到来する。経済や社会が急激な変化を遂げる時代、人々は何を求め、何に祈ったのか。貴族のための伝統的仏教が個人の経済をめざす大衆仏教に変貌する過程を描く、日本仏教史理解の必読書。
目次
概論 鎌倉仏教の根本課題
第1章 南都
第2章 真言密教
第3章 北嶺
第4章 禅
第5章 念仏
第6章 日蓮
著者等紹介
田中久夫[タナカヒサオ]
1913~1997年。東京帝国大学文学部国史学科卒業。国民精神文化研究所、千葉師範学校女子部勤務を経て、千葉大学教授。千葉大学名誉教授。専門は日本仏教史、鎌倉仏教(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
中年サラリーマン
11
僕として思想の流れ的な内容を期待していたのだが、国語辞典のような羅列で読むのがしんどかった。ある程度知識のある人が読むべき本かな。2013/07/27
sibasiba
7
入門書じゃなかった。凄く読み難い。取り敢えず他の本を探そうと思うが、知識を蓄えた後にこの本に戻ってくるかは微妙。沢山僧達の伝記を詰め込んだだけに思えた。法然と親鸞の本を探そう。2013/08/02
keint
5
鎌倉仏教を新仏教だけではなく、南都北嶺の僧侶まで取り上げて解説している。 多くの僧侶を網羅しているが、その分各々のボリュームは少ない。(日蓮に至っては1章だが10ページにも満たなかった) 鎌倉仏教の各宗に入る前の取っ掛かりとしては良いかもしれない。2019/10/21
けん
3
250ページ弱に鎌倉仏教のキーパーソン90人の伝記をぶち込むだけでは飽き足らず、教義にも触れようとしているもんだからさあ大変。流れが掴みにくいだけでなく、読みにくい。この不愉快さは130cmのバーをハサミ飛びで飛ぶ110Mハードルのようだよ・・・・・つまり棒高跳びの華麗さとハードルのスピード感のどっちも殺されてるってことだ。2010/11/26
さんとのれ
0
鎌倉仏教においては、庶民が近づきやすい念仏が大部分を占めるようだ。その成立に関わった僧達の資料がこれだけまとまって手軽に文庫で手に入るのは素晴らしい、がこれを読めば鎌倉仏教の全体像がつかめるという本ではない。ここのレビューを前以て読んでそれなりに心構えしてから読んだけど、やはりよく分からなかった。2014/08/06