講談社文芸文庫
正宗白鳥―その底にあるもの

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  • サイズ 文庫判/ページ数 306p/高さ 15cm
  • 商品コード 9784062901093
  • NDC分類 910.268
  • Cコード C0195

出版社内容情報

白鳥文学の深層に潜む信仰、魂の問題を探る「神はあるか、あるいはないか」正宗白鳥が青年時代から、六十年間にわたって問いつづけてきた文学の中核の問題を、著者独自の鋭い視点から読み解く、力作評論。

内容説明

自然主義の代表的作家として、人生虚妄を唱えた冷徹なニヒリスト・正宗白鳥の死を契機に、彼が青年時代に棄教したキリスト教に復帰したのかどうかが、人々の関心を集めた。文芸評論に幅広い活躍をした著者が、「白鳥は終始クリスチャンだった」という観点で、白鳥の小説や深い影響力をもった内村鑑三、トルストイの作品等を読み解き、白鳥文学の深層に潜む、信仰と魂の問題、作家の人生を探った独自の作家論。

目次

「棄教」の意味
背理と信仰
葬儀の様式
老年と死
世界との和解
白鳥の「含羞」
白鳥と十字架山
不安と救い
『浴泉記』と若き白鳥
内村鑑三の「文学」〔ほか〕

著者等紹介

山本健吉[ヤマモトケンキチ]
1907・4・26~1988・5・7。評論家。長崎市生まれ。石橋忍月の三男。1924年慶大文科予科に入学、同期に原民喜がいた。28年折口信夫が教授に就任、師事。33年改造社入社、「俳句研究」編集に従う。39年中村光夫、吉田健一らと「批評」創刊。43年第一評論集『私小説作家論』刊行。敗戦後は多彩な評論活動を展開、「美しき鎮魂歌」で戸川秋骨賞受賞。日本芸術院会員、日本文芸家協会理事長。著書に読売文学賞受賞『古典と現代文学』『柿本人麻呂』『最新俳句歳時記』全5巻のほか『芭蕉』(新潮社文学賞)『詩の自覚の歴史』(日本文学大賞)『いのちとかたち』(野間文芸賞)など(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー

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nakagawa

3
正宗白鳥さんは、小林秀雄さんの本ではじめて知った。名前はとても珍しいものだ。正宗白鳥さんは、青年の時にはキリスト教を信仰しており後に信仰をやめようとしてその途中の中で物凄い苦しみがあった。2017/05/23

Lieu

0
正宗白鳥の戯曲と旅行記が好きでこの本も買ったのだが、これは文学者としての彼の伝記でも文学論でもない。白鳥の、特に晩年のキリスト教観についてのエッセイをまとめた本である。老いと死の予感と信仰について考えさせられる面もあったが、白鳥は結局のところ文学者であり、その文学観について知りたかった。2019/11/10

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