出版社内容情報
白鳥文学の深層に潜む信仰、魂の問題を探る「神はあるか、あるいはないか」正宗白鳥が青年時代から、六十年間にわたって問いつづけてきた文学の中核の問題を、著者独自の鋭い視点から読み解く、力作評論。
内容説明
自然主義の代表的作家として、人生虚妄を唱えた冷徹なニヒリスト・正宗白鳥の死を契機に、彼が青年時代に棄教したキリスト教に復帰したのかどうかが、人々の関心を集めた。文芸評論に幅広い活躍をした著者が、「白鳥は終始クリスチャンだった」という観点で、白鳥の小説や深い影響力をもった内村鑑三、トルストイの作品等を読み解き、白鳥文学の深層に潜む、信仰と魂の問題、作家の人生を探った独自の作家論。
目次
「棄教」の意味
背理と信仰
葬儀の様式
老年と死
世界との和解
白鳥の「含羞」
白鳥と十字架山
不安と救い
『浴泉記』と若き白鳥
内村鑑三の「文学」〔ほか〕
著者等紹介
山本健吉[ヤマモトケンキチ]
1907・4・26~1988・5・7。評論家。長崎市生まれ。石橋忍月の三男。1924年慶大文科予科に入学、同期に原民喜がいた。28年折口信夫が教授に就任、師事。33年改造社入社、「俳句研究」編集に従う。39年中村光夫、吉田健一らと「批評」創刊。43年第一評論集『私小説作家論』刊行。敗戦後は多彩な評論活動を展開、「美しき鎮魂歌」で戸川秋骨賞受賞。日本芸術院会員、日本文芸家協会理事長。著書に読売文学賞受賞『古典と現代文学』『柿本人麻呂』『最新俳句歳時記』全5巻のほか『芭蕉』(新潮社文学賞)『詩の自覚の歴史』(日本文学大賞)『いのちとかたち』(野間文芸賞)など(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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