出版社内容情報
大坂商人の娘が拐かされる事件が相次いだ。そこにはさる大名家と大坂商人たちの間に横たわる遺恨が隠されていた。千年の昔から大坂の町と民を陰で守り続けてきた<在天別流>の姫、東儀左近は企みに気づかぬまま、陰謀に近づきすぎてしまった。大坂に来る前のこととて、首謀者一味と<在天>一族とのかつての因縁も知らず……。十八歳という成熟前の左近の前に様々な新事実が現れ、惑いながらも己の道を進み悪を討つ、華々しくも清々しい活躍譚、第2弾!
築山 桂[ツキヤマ ケイ]
著・文・その他
感想・レビュー
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やま
96
【再々読】左近 浪華の事件帖シリーズ「新装版」の2作目。2018.08発行。字の大きさは、中。東儀左近将監は、江戸にて東儀家の当主が屋敷の下女に産ませた娘である。 このため当主が亡くなった後、正妻から疎まれ。 育ててくれた爺やが亡くなると、奥州にある寺に預けられる所を、1人で大阪に居る唯一の肉親の異母兄・東儀上総を頼って行く。 東儀家は、楽家としての表の顔・在天楽所のほかに、在天別流として大阪の町と町の民を守る守護者たることを使命としている。 左近は男装にて、在天別流に入り大阪の町の民を守る。その活躍は…2019/12/02
陽ちゃん
5
緒方洪庵に会う前の左近のお話第2段。お店の娘の拐かし事件が京都所司代水野家の元家臣たちによるもので…左近が結構危ない目に遭いかけますが、その度に兄の弓月や若狭に助けられます。今回は、若狭の不可解な行動に惑わされた左近ですが、二人の関係がこれからどうなっていくのか気になります。2018/10/08
光
4
新装版再読。色々経験したからこその今がある。誰にでも当たり前に。2020/05/25