出版社内容情報
その予感は娘の発作で始まった。
極限の恐怖に誘われる衝撃の作品。
平和な家庭でのいつもの風景の中に忍び込む、ある予兆。それは幼い娘の、いつもと違う行動だった。やがて、その予感は、激しい発作として表れる。<破傷風>に罹った娘の想像を絶する病いと、疲労困憊し感染への恐怖に取りつかれる夫婦――。平穏な日常から不条理な災厄に襲われた崇高な人間ドラマを、見事に描いた衝撃作。
石黒達昌
距離が伸びる時には父親として病気に向き合い、距離が縮む時、1人の人間として感染症の恐怖に怯える中で語られる心の葛藤は、医学小説のそれではなく、もちろん恐怖小説のものでもなく、強いて言うなら、極めて純粋な戦記文学を読んでいる印象です。確かに、今まで読んだ全ての小説の中で、病棟という「戦場」の真実がここまで正確に描かれた作品を知りません。――<「解説」より>
※本書は、新潮文庫『震える舌』(1980年)を底本として使用いたしました。
三木 卓[ミキ タク]
著・文・その他
内容説明
平和な家庭でのいつもの風景の中に忍び込む、ある予兆。それは幼い娘の、いつもと違う行動だった。やがて、その予感は、激しい発作として表れる。“破傷風”に罹った娘の想像を絶する病いと、疲労困憊し感染への恐怖に取りつかれる夫婦―。平穏な日常から不条理な災厄に襲われた崇高な人間ドラマを、見事に描いた衝撃作。
著者等紹介
三木卓[ミキタク]
1935・5・13~。小説家。東京生まれ。幼少より何度も病魔に襲われる。1959年、早稲田大学卒業。57年ころより、詩を書き始める。67年『東京午前三時』でH氏賞受賞。73年「ミッドワイフの家」が芥川賞候補に。同年「鶸」で第69回芥川賞受賞。84年「ぽたぽた」で野間児童文芸賞受賞。89年『小噺集』で芸術選奨文部大臣賞受賞。97年『路地』で谷崎潤一郎賞受賞。99年紫綬褒章受章。2000年『裸足と貝殻』で読売文学賞受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
pino
hushi亜子
harass
GaGa
空猫
-
- 和書
- 商業用語事典