講談社文芸文庫<br> 神屋宗湛の残した日記

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講談社文芸文庫
神屋宗湛の残した日記

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  • サイズ 文庫判/ページ数 243p/高さ 15cm
  • 商品コード 9784062900768
  • NDC分類 913.6
  • Cコード C0193

内容説明

豊臣秀吉に寵愛された、博多の豪商茶人・神屋宗湛の日記の口語訳を試み、秀吉の茶会の人間模様を浮き彫りにした表題作。旧友に好物の鰻を生きたまま土産に届けようとするが、結局、苦労して運んだ鰻が死んでいたというアイロニーを描いた「うなぎ」ほか、「一握の籾」「質流れの島」「雷鳥」など、晩年の作品七篇を収録。闊達自在な老いの境地と、繊細な感性の震えを巧みに描出した、井伏文学の真髄を示す遺作集。

著者等紹介

井伏鱒二[イブセマスジ]
1898・2・15~1993・7・10。小説家。広島県生れ。本名満寿二。1912年福山中学に入学。中学時代森鴎外に『伊沢蘭軒』に対する質問状を書いた話は有名。17年早大予科1年に編入。23年「幽閉」(のち加筆「山椒魚」と改題)発表。『ジョン万次郎漂流記』で直木賞、『本日休診』で第1回読売文学賞、『黒い雨』で野間文芸賞受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー

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Yuko Furukawa

2
宗湛日記が原文で読めないので、まずここから読んでみようと読んでみた。宗湛の時代のお茶会でどんなものを茶菓子にしているのか知りたかったからだ。もっと厳密に言うと秀吉に伴って千利休が九州に下り、箱崎の松原で日本で初めて野点をしたと言われている場所がある。そこでどんなものを茶菓子にしながらお茶会をしたのか。残念ながら松原での茶菓子の詳細はなかったが、箱崎での他の茶会で串鮑と椎茸という記載があった。現存している松原茶会の絵の中に串が見えるところからどうやら絵の中では串鮑を食べている様子がうかがえる。2018/03/25

はとむぎ

2
茶道検定の勉強してたり、Jcom福岡の「福岡昔話」みたいなので見てたりしたから、すっと頭に入ってきてわくわくしながら読みました。ホントに秀吉に「筑紫の坊主、筑紫の坊主」って呼ばれてたんだー。おもしろい! 2010/02/06

ひろゆき

1
表題作以外に短編六作。晩年の作。飄々。主題がどこに行ったのかわからぬままに、結末。というか特に私たちが普通、思うような意味での結末をつけようとしてない。大作家だから許される作かもと言いたくなる。日記、記録、同窓会案内、私信といったものの言葉を記録したり翻訳、再構成するとともに、小説の素材としている。まずもってその素材を味わうものかと。渋いユーモア、特に冒頭の「うなぎ」。2018/02/26

AR読書記録

1
お歳召してからの作だからか,飄々というか融通無碍というか,あるいはとりとめのないというか,そういう印象のある作品が多いなあと思う.他人のことボケてるようにいうてるけど,案外どっちがどうでもおかしくないで...みたいな.でもそのなかの味は,やっぱり名人芸ともいっていいものなんだろう.和尚さんが話を聞いている最中にふと部屋の調度品の方に気を向かせる様子とか,物語に真実味を,深みを持たせる技なんだと思う.『ピカレスク』以来,距離を置きつつもなんか気になってしまう作家という位置づけが続く.2011/06/02

月照彦

0
博多の豪商であり茶人である神屋宗湛の日記とはいうものの、宗湛の主観が一切入っておらず、面白味が感じられにくかったが、ほとんど連日のように茶会に参加して生活している様がなんともすさまじい。2013/06/24

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