出版社内容情報
前衛歌人にして“現代の定家”とも称されたアンソロジスト塚本邦雄が選び抜き、自由奔放な散文詞と鋭い評釈を対置した秀歌百。百人一首に秀歌はない――かるた遊びを通して日本人に最も親しまれる「小倉百人一首」(藤原定家・撰)にあえて挑戦、前衛歌人にして“現代の定家”とも称されたアンソロジスト塚本邦雄が選び抜き、自由奔放な散文詞と鋭い評釈を対置した秀歌百。『定家百首』『百句燦燦』と並び塚本美学の中核であると同時に、日本の言葉の「さはやかさ」「あてやかさ」を現代に蘇らせんとする至情があふれる魂魄の詞華集である。
目次
はじめに
1 月やあらぬ春や昔の春ならぬ 在原業平
2 盃に春のなみだをそそぎける 式子内親王
3 春は花散るや千種におもへども 藤原義孝
4 うすく濃き野辺のみどりの若草に 宮内卿
5 見渡せば山もと霞む水無瀬川 後鳥羽院
6 浅みどり花もひとつに霞みつつ 菅原孝標女
7 はかなさをほかにもいはじさくらばな 藤原実定
8 知るらめや霞の空をながめつつ 中務
9 たづねつる花もわが身もおとろへて 良暹法師
10 春といへばなべてかすみやわたるらむ 小侍従
11 花流す瀬をも見るべき三日月の 坂上是則
塚本 邦雄[ツカモト クニオ]
著・文・その他
内容説明
百人一首に秀歌はない―かるた遊びを通して日本人に最も親しまれる「小倉百人一首」(藤原定家・撰)にあえて挑戦、前衛歌人にして“現代の定家”とも称されたアンソロジスト塚本邦雄が選び抜き、自由奔放な散文詞と鋭い評釈を対置した秀歌百。『定家百首』『百句燦燦』と並び塚本美学の中核であると同時に、日本の言葉の「さはやかさ」「あてやかさ」を現代に蘇らせんとする至情があふれる魂魄の詞華集である。
目次
月やあらぬ春や昔の春ならぬ(在原業平)
盃に春のなみだをそそぎける(式子内親王)
春は花散るや千種におもへども(藤原義孝)
うすく濃き野邊のみどりの若草に(宮内卿)
見渡せば山もと霞む水無瀬川(後鳥羽院)
淺みどり花もひとつに霞みつつ(菅原孝標女)
はかなさをほかにもいはじさくらばな(藤原實定)
知るらめや霞の空をながめつつ(中務)
たづねつる花もわが身もおとろへて(良暹法師)
春といへばなべてかすみやわたるらむ(小侍從)〔ほか〕
著者等紹介
塚本邦雄[ツカモトクニオ]
1920・8・7~2005・6・9。歌人、評論家、小説家。滋賀県生まれ。歌誌「日本歌人」(前川佐美雄主宰)に入会。1951年、『水葬物語』で歌壇に登場。60年、岡井隆、寺山修司等と「極」を創刊。85年、歌誌「玲瓏」主宰。反リアリズムの前衛短歌の雄として精力的に活動。『日本人靈歌』で現代歌人協会賞、『詩歌變』で詩歌文学館賞、『不變律』で迢空賞、『黄金律』で斎藤茂吉短歌文学賞、『魔王』で現代短歌大賞を各々受賞。97年、勲四等旭日小綬章受章(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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