講談社文芸文庫<br> 街角の煙草屋までの旅―吉行淳之介エッセイ選

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講談社文芸文庫
街角の煙草屋までの旅―吉行淳之介エッセイ選

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  • サイズ 文庫判/ページ数 284p/高さ 15cm
  • 商品コード 9784062900539
  • NDC分類 914.6
  • Cコード C0195

内容説明

坂の上の角の煙草屋まで行くのも旅だと考え、自分の住んでいる都会の中を動くことに、旅の意味を見出す表題作。小説作品のモチーフになった色彩体験を原風景に遡って検証する「石膏色と赤」ほか、心に残る幼年時代の思い出、交遊、文学観、なにげない日常の暮らしや社会への思いなど、犀利な感性と豊かな想像力を通して綴る「人生の達人」の珠玉のエッセイ選。吉行文学の創造の秘密が詰まった四十七篇。

目次

言葉と表情
戦中少数派の発言
安岡章太郎の作品
恩師岡田先生のこと
「復讐」のために
「ブンガク人間」小島信夫
内田百〓(けん)氏のこと
クレーをめぐる気侭な小文
パチンコ雑話
新戯作派についての独断と偏見〔ほか〕

著者等紹介

吉行淳之介[ヨシユキジュンノスケ]
1924年4月13日~1994年7月26日。小説家。岡山市生まれ。新興芸術派の作家・吉行エイスケの長男。1945年、東大英文科に入学後、雑誌社で編集記者として働くうちに大学を中退、創作活動も始める。散文の処女作『薔薇販売人』から『原色の街』を経て『驟雨』で54年に芥川賞受賞。硬質で喚起力の強い文章で常に実験性に富んだ作品を発表する(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

佐島楓

19
この方は、人間がとてもお好きだったのだな・・・としみじみと思った。相手に対する深い尊敬と愛情が伝わってくる。酒と女性、というイメージは一面に過ぎない。また、まじめな文章と不真面目なそれとの差がものすごい。それが、またいい。2013/03/10

ジュンコ

16
何度目かの再読。吉行随筆に酔いしれる。2017/01/15

小谷野敦

5
エッセイ集だが、文庫解説、追悼文などが多い。吉行は好きではないのだが、久米勲という人の本を読んだついで。筒井康隆の『乱調文学大辞典』の解説で、「悲喜劇」について、風呂で水を流す穴にキンタマがはさまった状態というのについて延々と書いているのを見てげんなりした。全体に吉行の下品なところが出ている。50代になるまで「ヴェニスに死す」を読んだことがなかったというのもちょっと驚いた2024/07/20

お萩

2
作家同士の交流とも呼べないような繋がりが垣間見られるものがいくつか。それが好きな作家さんだった時の、このお得感。結構最近の人かと思ってたのだけど、そうでもないのだな。温かくて色気のあるこの文章が大好き。2014/07/09

綱渡鳥

1
芥川賞作家のエッセイ集。表題作はヘンリーミラーの小説を引用しながら、家を一歩でも出ればそれは二度と戻って来れない航海のようなものだと呟く。個人的に印象深い作品は「パチンコ雑話」1973年の日本経済新聞に掲載されたものからの出典だが、まだパチンコ台にモーター式が出始めて、椅子に座ってやるスタイルも確立されていない時代に、パチンコという遊戯に人間臭さを求めている感性が興味深い。都会の雑踏の中で孤独を求めてパチンコ屋にいくという。大岡昇平と三島事件のあった日に電話で話したことや、太宰治についての雑感も。2019/02/09

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